3ツ星料理人が考える
沖縄料理の新境地

 さらに今年の瀬良垣アイランドには、これまでにない美食の喜びが続々です。

「え、これがゴーヤチャンプルー!?」

 朝吹さんも驚いたのが、今春から提供開始した“琉球炉端 by Kanda”の沖縄料理。今、ホテルが自信をもってお届けする、美味しいサプライズが満載のダイニング体験です。

 メニューを監修するのは、東京・元麻布のミシュラン3ツ星「かんだ」の神田裕行さん。

 ミリ単位の正確さで切り揃えたゴーヤをふんわりとした玉子ムースで包み込み、口中に広がるその味わいは、まさに極上のゴーヤチャンプルー。「こんなの初めて!」と誰もがびっくりする絶品です。

 そのほか、3ツ星仕込みのだしに浮かべたとろとろの“ラフテー”、深い滋味が詰まった“どぅるわかしー(田芋の炒め煮)”など、お馴染みの郷土料理が美食の匠の手により、新たな価値をもつ沖縄料理へと昇華しています。

「次に来るときのために、今から予約したくなりますね」(朝吹さん)

至福の鮨を
ゆったり堪能する

 さらに2019年4月17日(水)には、広島のミシュラン1ツ星「鮓や 大東(おおとう)」で根強いファンを獲得してきた大東太さんの新天地「シラカチ・鮨」も開店しました。

 スター左官職人・久住有生さんが手がけた漆喰の土壁空間に用意されるのは、わずか10名のカウンター席のみ。

 生マグロや車海老などの沖縄産をちりばめながら、大東さんのお眼鏡にかなった各地の旬がゲストに供されます。

 白木のカウンターで味わうにぎり、つまみの旨さはとにかく格別。丁寧な手仕事が凝縮した一品料理、繊細な口どけに驚く“玉子”などにも、未知なる美味しさが満載です。

食後の素敵カクテル

 ディナーの後は「シラカチバー」へ。窓の向こうにサンセットを眺めることができ、夕闇に包まれた後はシックな雰囲気に包まれる、大人のための空間です。

 今帰仁スイカを使ったカクテルなど、季節のスペシャルを味わいながら、美食の余韻にひたるのも素敵なひとときです。

 東京でも京都でもなく、まさに沖縄の瀬良垣島でしか出会えない未体験の美味。

 沖縄を旅する新たな目的となること間違いなしです。

朝吹真理子(あさぶき まりこ)さん

1984年東京生まれ。2009年、小説「流跡」でデビューし、翌年ドゥマゴ文学賞を最年少で受賞する。2011年には、「きことわ」で第144回芥川賞を受賞。2018年、7年ぶりとなる新作『TIMELESS』を刊行し、独自の作品世界で魅了する。2019年7月10日(水)には初のエッセイ集を刊行(中央公論新社)。

●瀬良垣島へのアクセス

那覇空港から車で約1時間。那覇空港、那覇バスターミナルから空港リムジンバスで約1時間20分~1時間40分

ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄

所在地 沖縄県国頭郡恩納村瀬良垣1108
電話番号 098-960-4321
客室数 344室
料金(1室) ザ・アイランド 33,000円~、ザ・ビーチハウス 79,200円~(ともに1室2名利用)
https://www.hyattregencyseragaki.jp/

文=矢野詔次郎
撮影=福田喜一