若手料理人が次々と独立を果たす近ごろの京都。
確かな技をもちつつ、個性はしっかり打ち出す。その加減はどの店も絶妙で開店と同時に予約困難な店となってしまうのも納得せずにはいられない。
予約が取れたら京都へ、そんな楽しみ方も良いものだ。
コースを軽く転調させる
手打ち麺料理も楽しい
●おたぎ
2012年に北大路に店を構えるやいなや、充実の内容とコストパフォーマンスの高さでたちまち人気店へと躍り出た「北大路おたぎ」。
店主の馬場一彰さんは「鳥居本」「和久傳」とキャリアを重ね、料理長として活躍した後に地元の北大路に自店を構えた。
6年を経て2018年夏には鷹峯へと移転し、名前も「おたぎ」と一新。左大文字がある大文字山を背にした一軒家が新しい舞台となった。
6メートル近くある白木のカウンターに設けられた席は8席だけ。馬場さんの心意気を見るような広々とした空間づかいが贅沢だ。
料理もこれまでの1万円から2万円のコース一本へ。
「より良い食材を使うためのステップアップは以前から考えていたこと。下関のフグ、津居山の蟹、明石のかつぎの穴子、大原野の朝掘りの白子筍など産地から直接手に入れるものが増えました」と馬場さん。
食材のグレードアップに伴って、同じ手間をかけた料理でも食べ手の反応が違うという。
「自由度が広がったことで、また新たな一面を見せられたら」
蕎麦や中華麺など手打ちする麺料理は、コースを軽く転調させる一品として変わらずに。
移転してなお予約困難という状況が人気ぶりを物語っている。
おたぎ
所在地 京都市北区鷹峯土天井町18
電話番号 075-492-1771
営業時間 17:30~20:00 最終入店
定休日 水曜、第1土・日曜
※要予約
Feature
今の京都で輝く
若手料理人の新店へ
Text=Mako Yamato
Photo=Takashi Shimizu