禅を意識した美しい空間で
いただけるお料理は?
内装にもこだわった店内は、中国を代表するトップインテリアデザイナーであるヨンジョン氏が手がけています。すべて個室スタイルで、落ち着いた空間で食事を楽しめます。
メニューはおまかせコースのみ。580元、780元、880元(約9,280円~14,000円)の3種類で、すべて8皿で構成されています。
今回は780元のコース内容を少しご紹介します(季節によって扱う食材は異なります)。
まずは“SMALL DELICACIES”と表された前菜の品々から。
まずテーブルに運ばれてくるのは、アミューズブーシュのような一口サイズの前菜。おしゃれでカラフル、「これが精進料理?」と誰もが驚きます。
トマトの上に乗っている白くて四角い食べ物もトマト味。口の中でジュワッと溶けてマシュマロのような食感です。
コース2品目の“LOTUS FUNGUS”は、お皿の上にハナビラダケが美しく広がっていて、ヤングコーンが食感のアクセント。目の前で注がれる野菜コンソメのスープから漂う香りに食欲がそそられます。
コース3品目は“TARO”。その名の通りタロ芋を使ったメニューです。衣にお米をまぶしてカリッと仕上げていて、里芋ならではの柔らかさと相反する食感が楽しめます。
コース4品目の“TRUFFLE”は、茄子にトリュフが巻かれた一皿で、アスパラガスが色彩のアクセント。ルー氏によるプロデュースだけあって、見た目も華やか。
これまでの茶色くて単調なイメージだった精進料理とはまったく異なります。
「お肉が大好き、精進料理では物足りない!」と思っている方にぜひ、しっかりと味わっていただきたいのが、コース7品目の“PORCINI”。
テーブルにサーブされるのは、白い煙を密封したガラスの保存瓶。燻製中の状態のまま目の前に運ばれてきて、蓋を開けるとスモークの中から串刺しのポルチーニ茸が現れます。食感も味わいもまるでキノコとは思えない、満足のいく一品です。
もちろんお肉は一切使っていませんが、女性であればコースの7品目でかなりの満腹感が得られます。
コースの締めくくりのデザートもいくつか出されますが、そのなかでとくに印象に残ったものがこちら。
木のボウルに盛られたクルミの中から、本当に食べられるお饅頭を探す、という遊び心を感じる一品です。
「福和慧」でいただくお料理は、どれも一皿ずつ丁寧に盛り付けされ、そのユニークなプレゼンテーションに魅了されること間違いなし。
世界各国から美食家たちが足を運ぶ「福和慧」。お料理はそれぞれのコースによっても異なりますし、季節によっても変わりますので、一度訪れるとまたシェフのおいしい遊び心を求めて上海を旅したくなることでしょう。
みなさまもぜひ、この上海出身シェフのトニー・ルー氏が手がける、美しくてモダンな精進料理を召し上がってみてはいかが?
福和慧
(Fu He Hui)
所在地 1037 Yuyuan Road, Changning District, Shanghai
電話番号 021-3980 -9188
営業時間 11:30~14:00、17:30~22:30(要予約)
定休日 無休
文・撮影=ミシェル