所狭しとキノコが並ぶ地下を見学
見学させてもらった地下は一定の温度と湿度が保たれていて、それぞれのキノコに合わせ、特別に準備された土が詰まった袋が所狭しと並んでいます。
一定の時間が経過すると袋の穴からニョキッとキノコが顔を出しはじめ、その後、成長したキノコは傷がつかないよう丁寧に手摘みされるそうです。
一年を通して安定した生産量を保つ高品質のキノコはレストランにも人気があるらしく、私が店内にいる間も大量のキノコを買出しする人たちが行き交っていました。もちろん私も瓶詰めだけでなく、自家製のキノコ4種を1キロ半ほど購入。
てっきり代々キノコづくりに従事してきたのだろうと思っていたら、脱サラしてキノコをつくりはじめたというアドリアーノさん。鍛冶職人だった父親の工房を受け継ぎ、倉庫として使われていた地下を見たとき、ここで高品質のキノコを栽培できないかと、ふとひらめいたそうです。
当時、2人の息子さんにはずいぶんからかわれたそうですが、失敗を繰り返し、試行錯誤しながら質の高いキノコづくりに成功。息子さんたちも加わり、今ではスローフード協会にも認められ、イータリー・ローマ店でもコーナーを持つほどに成長したのだと満足顔で語ってくれました。
Azienda Agricola Moretti
所在地 Via Paolo Mercuri 23 Marino (RM)
電話番号 06-8893-6064
営業時間 月~土曜 8:30~13:30/16:00~20:00、日曜 8:30~13:30(7月、8月以外)
https://www.aziendamoretti.com/
村本幸枝(むらもと ゆきえ)
1989年ローマに移住。イタリアで法人を立ち上げ、無料日本語情報誌「ラ・プリマ」を創刊(2000年休刊)。2000年、株式会社アッティコ設立。FIFA日韓W杯イタリアチーム帯同、イタリア・フェスティバル in 東京ドーム他、イタリア関連のコーディネートを数多く手がける。現在は日本とイタリアを半々で過ごし、TV・雑誌の他、イベントや企業視察研修旅行など、幅広い分野で日伊間のコーディネートを手がけている。
文・撮影=村本幸枝(アッティコ)