夜はロマンティックに。それとも伝統ディナー?

「ボマ」は、かつて星空の下、首長たちが集まり話し合いをしたり食事をした空間。今は特別な人をもてなす場として使われ、ぐるっと円卓を囲むのがしきたり
運河に面したデッキでディナー。バオバブツリーのオブジェに灯りをともしまずはシャンパンにて乾杯。対岸から象の飛び入り参加も?

 ライオンやレパードを間近で見ると、しばらく興奮が冷めやらない。「だって3頭も! それもたてがみのクールな雄ライオン!! 公園の閉まるタイムリミット直前だよっ」という具合だ。

 ゲストたちはだいたい現場に居合わせていたので、話を聞かされるのはホテルのスタッフ。ほんとうは、彼らのほうがよっぽど、ライオンなんぞ見慣れているのだけれど。でも、彼らはひたすら優しい。驚いてくれて、一緒に喜び、幸運を祝福してくれさえする。ボツワナ全国民が優しいわけではないだろうが、少なくともこのキャンプのスタッフは心温かだ。ホスピタリティは完璧。

アフリカの神話で象は、天国とこの世を交流させる動物とされ、その毛のブレスレットは願いを天国に届けるものと信じられている。そしてブレスレットの結び目は、神の手を表すとされる。黒い象の毛のブレスレット151.20プラ、象の毛とシルバーのブレスレット722.40プラ、木をくり抜いたリング414.40プラ、ホロホロ鳥のピアス218.40プラ

 スタッフの心からの笑顔は重要だ。“お客様のお望み通りに”を謳うホテルは多いが、ここではさらに一歩踏み込んで、魅力的な提案の選択肢も用意してくれる。

 たとえばディナー。ダイニングで食べるにも、明るいテーブルで、あるいはちょっと離れてキャンドルの灯りでと自在。さらにはテントのデッキでのプライベートディナーをリクエストすることもOK。ロマンティックに過ごしたい向きには嬉しい配慮。もしくはアフリカ古式に則り、首長たちが会合を開いた「ボマ」という特別の空間でのディナー。

 とまあ、こんな次第だ。“お望み”とて、選択肢のあるほうが楽だったりもするわけで、もちろんさらなるエキストラも叶う。こんな贅沢なことで、サファリの夜は更けていく。

Savute Elephant Camp
Chobe National Park, Botswana
(サヴーティ・エレファント・キャンプ チョベ国立公園)

電話番号 +27-21-483-1600
(キャンプ直通の電話はなく、南アフリカのオフィスを通じてコンタクト)
URL www.savuteelephantcamp.com
URL www.orient-express.co.jp
客室数/14室 料金/ラグジュアリー・テント2195USドル
(マウン空港からの片道フライト・全食事・輸入シャンパン以外の全ドリンク・日に2つのゲームアクティビティ・ランドリーサービス・空港までの移動費が含まれる。2泊目以降1295USドル)
日本での問い合わせ先/オリエント・エクスプレス
電話番号 03-3265-1200

photo:Yuji Ono
realization & text:Satsuki Ohsawa
special thanks:Embassy of Botswana / Cathay Pacific Airways Ltd.