野生動物の聖地で早朝サファリの興奮

左:ラグジュアリー・テントの中は、普通の客室と比べてもなんら遜色のないしつらえ。蚊帳すらお洒落に見えるエレガントな雰囲気だ。
右:ウェイクアップ・コール代わりに運ばれるモーニングティー

「ラグジュアリー・テント」と呼ばれる客室は高床式で、アフリカンな草葺き屋根。中に入ると確かにテントなのだけれど、白い蚊帳の吊るされた天蓋式ベッドやシックなソファ、熱いお湯の出るシャワーと、とっても快適。防虫剤も蚊取り線香も常備で、都会派にも安心の仕様だ。

アールデコ調の洗面スペースは、テントとは思えないしつらえ

 朝6時。ガイドの運ぶモーニングティーにて起床。デッキで朝焼けを眺めつつ、あったかなマフィンを頬張っていると、木の上のバブーン(ヒヒ)と目が合った。時間を見計らい、マフィンを狙いに来るらしい。運河では、象が早くも朝シャン真っ最中。夜半も水浴びの音が聞こえていたから、象のキレイ好きは本物らしい。

 30分後には、ゲームドライブに出発。早朝は肉食動物の朝食タイムなので、捕食者(プレデター)を見つけるには一番の時間帯だ。と、ホテルを出て5分もしないうちに、ワイルドドッグが道端に! 耳の大きな野犬は絶滅危惧種の中でも、とりわけ希少。眠気覚ましにとびきりが現れる。

 “ホゥ、ホゥ”とガイドが鳴きまねをする。はぐれた仲間を呼ぶ声で、犬たちはこの声に反応してあたりを見回している。ワイルドドッグは仲間の面倒をみる珍しい動物なんだとの解説に、納得。サファリを楽しめるかは、ひとえにガイドの腕にかかっていて、動物を見つけるテクニックだけでなく、その知識も図鑑以上に豊富だ。さて、次は何が見られるだろうか?

左:キリンとウシツツキの共生は、寄生虫駆除と食料確保の関係。でも、キリンが出血していると、吸血鳥に変身というウシツツキだ。
右:水辺に集うインパラとシラサギの群れは、友好的な混生関係

【サファリ必携アイテム】
 双眼鏡とハンディな動物図鑑はまず、必携。図鑑は日本で探すより、現地で見つけるほうが簡単だし、英語名がわかっていい。夏季(11~3月)でも朝晩は冷えるのでフリースを、乾季(4~10月)にはホコリよけのバンダナを忘れずに。

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photo:Yuji Ono
realization & text:Satsuki Ohsawa
special thanks:Embassy of Botswana / Cathay Pacific Airways Ltd.