
1961年の映画『去年マリエンバートで』のデルフィーヌ・セイリグの衣装はココ・シャネル作。そして、そのヒロインに触発され、シャネルの春夏最新コレクションが誕生した。
ビジューのミニバッグや、カットワークが美しいゴールドのブーツには、ヒロインの神秘的な輝きと官能が漂い、しかも現代女性にマッチする粋なディテール満載。黒のバングルのシックな華やかさも心憎い。どこか東洋的な匂いも感じると思いきや、実はかの映画、黒澤明の『羅生門』がモチーフ。時空を超え、古今東西を自由に旅するシャネルの最新作から、目が離せない。

photo by Kaz Arahama
fashion direction & text by Mami Sekiya