日本人の気持ちを最もよく理解した貴重な一軒

 そしていよいよメインのお肉ですが、とことんシェフの底力を感じたい方には文句無しの超贅沢な「牛フィレ肉のロッシーニ風、フォアグラのソテーとトリュフソース」!!

「牛フィレ肉のロッシーニ風、フォアグラのソテーとトリュフソース」と「プライムリブロースステーキ、赤ワインソース 茎ワサビクリーム添え」。

 そして僕のホノルルで最も愛するお肉であります「プライムリブロースステーキ、赤ワインソース 茎ワサビクリーム添え」 (さっぱりいきたい方には「大根フュージョンソース」もご用意しております)。

 もちろん、これにサイドディッシュとして白飯をがっつりつけてもらっていただくわけでありますが、これがもうパーフェクト!!

 そりゃあフレンチと言えども、隠し味でお醤油も多様するシェフのご自慢料理ですから、どれもライスにあわないわけはありません。

 笑顔が似合う茂シェフとはもうホントに長い付き合いで、お互いの相当深い(というかヤバイ。笑)プライベートまで全て知り尽くしているハワイで一番の親友でもありまして、シェフの自宅でしゃぶしゃぶパーティーやったり 「H.C.C」でゴルフしたり、夜な夜なカラオケ行ったりと、時間さえあえば内容の濃い時間を過ごしてまいりました。

笑顔が似合う小林茂シェフとはホントに長い付き合い。

 それゆえに、ディナーをする人が見つからない寂しい夜でも、ひとりで行って「シェフズテーブル」と言われる調理場を眺める小さなカウンターに座りさえすればもう僕の好き嫌いは全てわかっているので それこそまったくメニューには存在しない僕専用の料理を作ってくれたりします。

 もう本当に助かるし頼りになるわけで、そんなシェフの思いやりが通じてか、僕の周りのローカルだけでも「地元でバースデーやクリスマスと言ったらやっぱりカフェ・ミロ」というのが定番化しているファミリーも少なくはありません。

 ついつい新しいレストランやスポットに目が行きがちですが、もはや老舗とも言える「カフェ・ミロ」に行ったことのない方がまだいらっしゃいましたら、 ほとんどのお店が数年で消滅してしまうのが日常な、生き残りの難しいここハワイの地で20年近くも一線であり続けているその意味と価値を確かめに、自分の「目」と「舌」を駆使して是非とも体験してみてくださいね~。

 ハワイの数々のレストランの中でも「フレンチ」とはいえ、日本人の気持ちを最もよく理解した貴重な一軒であることは間違いございません。

 ということで最後は少々「お肉リポート」から外れましたが、今や続々とアメリカから上陸した有名ステーキ店の影響で日本でも一大ブームとなっている「赤身肉」や「熟成肉」のステーキでありますが、 それでもやっぱりハワイというと誰もが必ず一度は食べに行きたくなるのは致し方ない事実。

 ヘルシーで高タンパク質な、脂身の少ない赤身肉は、僕ら50オーバーの世代でも胃にもたれることもなく美味しくいただけるわけですし、かつリーズナブルということでまさにメモリアルなハワイアンディナーとしては完璧なチョイスと言えるでしょう。

 さらに、それはステーキハウスだけに限ったものではなく、フレンチやイタリアン、あるいは和食屋さんに行っても美味しいステーキに出会えたりするのが、またこの島のいいところでもあります。

 なので、日本人の一番悪い癖ともいえる「ブーム」というものに乗っかって、ただ有名アメリカンステーキ店を渡り歩くだけじゃなく、自分好みの美味しいステーキを見つけてみるのもまた、新しいハワイの楽しみ方かもしれません。

 さぁ、僕もB~C級レストランも含め、決してガイドブックに掲載されていない自分だけの穴場ステーキメニューを探しに、これからも体力の許す限り、夜の街を徘徊し続けていくこととまいりますかね(笑)。

小川カズ(おがわ かず)
ファッションディレクター&フォトグラファー。東京、青山生まれ。80年代半ばから当時まだ数少ないスタイリストとして活動を開始し、堺正章、石田純一、片岡鶴太郎、武田修宏などを担当する。99年からはフォトグラファーとしても活躍。ハワイと東京に拠点を構えて活動する。

 

Column

小川カズのいい加減でアロハな裏ハワイ

スタイリストの草分けとして堺正章、石田純一などのスタイリングを長年手がけ、フォトグラファー、ファッションディレクターとしてテレビや雑誌で活躍の小川カズさん。実は30年以上にわたる筋金入りのハワイマニアとしても知られています。ハワイ好きが高じてコンドミニアムまで購入、いまや東京とハワイを生活拠点としている小川さんが、メディアには載らない「裏ハワイ」の面白さを紹介します。

2016.10.27(木)
文・撮影=小川カズ