伊豆名産の椿油を使った生せっけん作り

 いよいよ夏本番。CREA8月号では「いまの47都道府県いいとこどり。」と題し、日本のいいとこ、いいもの、おいしいものを大特集。47都道府県の魅力を再発見できる保存版だ。

 ここでは、星野リゾートが全国で展開する温泉旅館ブランド「星野リゾート 界」で行われている“ご当地楽”を紹介しよう。ご当地楽とは、その土地の伝統的な工芸や芸能を無料で楽しめる特別なおもてなし。地域の文化に触れることで、より思い出深い旅になるだろう。

非加熱製法で成分を閉じ込めた生せっけん作り。固まるのを待たずに使えるので、滞在中に楽しめる。

 静岡の伊東温泉にある全館源泉かけ流しの贅沢な温泉宿「星野リゾート 界 伊東」。ここには、伊東や伊豆大島に多く自生する椿にちなんだご当地楽が。

 古くから日本人の暮らしに根づいてきた椿。なかでも椿の種から抽出される椿油は保湿性が高く、現代でも美容の世界で注目されている。その椿油を使い、“椿油の生せっけん作り”に挑戦。椿油を精油として使い、伊東名産のぐり茶などで香りや色味をつけて、バターのような感触の生せっけん作りを体験できる。もちろん、それを滞在中に使うという楽しみも。

 この生せっけんづくりは夏から秋にかけて体験できるが、冬から春にかけては“椿の花びら染め”も体験できる。

伊豆・稲取地方に伝わる「つるし飾り」は手作りの人形を飾るもの。夏(6~8月)は夏のつるし飾りが登場。

 そして界 伊東には“ご当地部屋”も用意されている。ご当地部屋とは、滞在を通して地域の魅力に触れられる特別な部屋。ここでは、伊豆・稲取地方に伝わるつるし飾りをあしらった“つるし飾り 椿の間”が待っている。

 つるし飾りは子どもの健康と幸せを願って作られる伝統細工。こちらの宿では伊東の椿をモチーフにしたものなど、伝統の中にも現代的なアレンジを加えたオリジナルのつるし飾りを用意。夏には金魚や夏椿、涼やかなガラス玉がついたつるし飾りが部屋を彩る。

お茶とお菓子でくつろぎのひとときを過ごす。湯呑みのモチーフとなっているのは椿の花。

 そのほか椿の間には、生椿のオイルを加えた源泉美肌パックや、椿石けんのアメニティを用意。また、ツバキ科の植物から作られた静岡紅茶を、椿の和菓子とともにいただくこともできる。伊東ならではの椿のアイテムでリラックスしたひとときを。

星野リゾート 界 伊東
所在地 静岡県伊東市岡広町2-21
電話番号 0570-073-011(界予約センター)
URL  http://kai-ryokan.jp/ito/

文=榎本市子