オーガニックワインならではの味わい!

 ちょうど喉が渇いたお昼時、畑に囲まれたテラスの大テーブルで特別に、試飲ランチ会を開いてもらった。

太陽の日差しを受けて鮮やかな色彩を放つ、白、ロゼ、赤。これほど美しいロゼ色を見たのは初めて! まるでスモモの果汁をそのまま飲んでいるかのようなフレッシュな酸味が特徴的。
フランスでワイン作りを学んだ、ワイナリースタッフのグスターボさんが、丁寧に試飲方法を解説。「五感で味わってみてください」

 メキシコの元気な太陽を浴びて育ったぶどうのパワーを力強く感じる、濃い色合いと香り。ひと口飲むと、ぶどうの風味が口内いっぱいに広がり、その後には爽やかに鼻から抜けていく。丁寧な技法で生み出されたオーガニックワインだからこそ叶う、雑味のない上品な味わいがなんとも魅力的だ。

「今度は、テーブルの上にある、いろいろなチーズとワインを合わせて、自分好みのマリアージュを探してみましょう」(グスターボさん)

燻製、カビ系、ヤギのチーズなど、濃厚な味わいにハチミツをプラスして……。とりわけ赤との相性が最高!
ワイナリー内のレストランオリジナルの、ぶどうのワイン漬け。いくらでも食べられてしまう、クセになるおつまみスイーツ。

「メキシコワインは、メキシコ料理との相性もバッチリです。僕のおすすめは、モーレというチョコレート味のソースを使った伝統料理に、シラーズの赤ワインを合わせていただくこと。これはもう、格別の組み合わせですよ!」

向こうに指をかざしてもまったく透けないほどの奥深い赤。スモーキーかつアロマティックな香りの中に、ほのかにプラムやクローブなどの風味を感じる爽やかな飲み心地。

 「今年のワイン製造の目標は3万2000本。ゆくゆくは10万本を目指しているよ」と笑顔で抱負を語ってくれたグスターボさん。今後は、メキシコワインの魅力の周知を図るため、ワインセミナーやワイナリーツアーも導入していく予定だ。

 近年、干ばつが深刻化しているメキシコの土壌。この環境問題が、メキシコワインの夢を奪うのか、あるいは、痩せた土地でより美味しいぶどうが生み出されていくのか……。メキシコワインの未来にSalud!(乾杯!)。

ワイナリーの中には、レストランやホテルもあり、一面に広がるぶどう畑を眺めながら、自然の中で癒しのひとときを過ごすことができる。
アンティーク家具に囲まれたセンスの良い客室は全6室(1泊 3,800~5,400メキシコペソ)。サウナやプールも自由に使うことができる。週末には特に人気となっているため、早めに予約したい。

La Santisima Trinidad
(ラ・サンティシマ・トリニダー)

http://smawines.com/la-santisima-trinidad/

【取材協力】
アエロメヒコ航空

http://aeromexico.jp/

株式会社メキシコ観光
http://www.mexicokanko.co.jp/