テキーラだけじゃない!
パワフルなメキシコワインの魅力

 ドローレス・イダルゴの中心部から車で約30分。自然豊かな山間にある「La Santisima Trinidad」は、2015年にオープンしたばかりの新進気鋭のワイナリー。

 メキシコといえばテキーラやビールのイメージが強いが、実はワインの生産にも適した土地なのだ。

 イタリア、フランス、スペインなど、美味しいワインが作られる土地の気候がメキシコとよく似ていることから、ヨーロッパ通のオーナーがこの土地でメキシコが誇るワインを作りたいと、ワイナリーを創設した。

56ヘクタールの広大な敷地の中では、ぶどうのほかに、オリーブ、ラベンダーの栽培も。
収穫したばかりのラベンダーを扱う作業部屋。まるでラベンダー畑にいるかのような心安らぐ香りに、思わずうっとり。
ラベンダーオイルやソープ、ポプリなどは、敷地内にあるショップで購入することができるので、お土産にぴったり。

 敷地内で栽培しているぶどうから、赤、白、ロゼの3種類、計6品種のワインを製造している。ワイン作りの中でとりわけこだわっているのが、熟成に用いる樽。樽に使用する木材の焼き加減によって、ワインの味にも大きな変化が生じる。ここでは、ぶどう本来の風味を最大限に活かし、程よい旨みを生み出すため、アメリカ産オーク材をミディアムローストした樽を使用。

地下3メートルに位置する樽室。エアコンを一切使用せず、自然の涼しさを活かす設計。1樽から225リットル、300本のワインが生産される。
ワイナリー内のショップでも販売しているワインは、1本450~500メキシコペソ。メキシコシティやサン・ミゲル・デ・アジェンテのレストランにも卸している。

2017.07.15(土)
文・撮影=中山理佐