今回、メキシコの魅力をお伝えする記事を5回にわたってお届けしたが、旅をもっと楽しむためのコツがある。それが「言葉」だ。メキシコはスペイン語圏で、英語があまり通じないことが多い。そこでメキシコの旅行会社に勤める宮良高雄さんに、メキシコ旅がもっと楽しくなる、簡単なスペイン語を教えてもらった。

株式会社メキシコ観光の宮良さん。好きな言葉は「¡Viva la vida(人生万歳)!」

 スペイン語は、日本人にとって難しい発音があまりないので聞きとりやすく、しゃべりやすい言葉なのだという。また、文字の読み方もほぼローマ字読みでOKだ。たとえばこちら、メキシコシティで人気のタコスレストランのメニュー表。左上のロゴ「La casa del PASTOR」は「ラ カサ デル パストール」という具合。

メキシコといえば本場のタコスを食べたい! 「Tacos」の文字を探そう。

 そこで、レストランに行ったときに「これだけは!」というスペイン語を紹介していこう。

 まずは、なにはともあれ、挨拶だ。

「オラ(Hola)!」

 とても簡単。もちろん「おはよう」「こんばんは」といった時間帯によるさまざまな挨拶表現があるが、まず覚えるなら「オラ!」でじゅうぶん。レストランに限らずお店に入って「オラ!」と言われたら「オラ!」と応えるところから、旅のコミュニケーションがはじまる。

 次にメニューを見て、食べたいものを指さして「お願いします」と言いたいところ。英語でいうところの「Please」は、スペイン語で「ポルファボール(Por favor)」と言う。

「セルベッサ ポルファボール(Cerveza, por favor)」

 と言えば、ビールをオーダーできる。

サン・ミゲル・デ・アジェンデにあるブティックホテルの、眺望抜群のレストランにて。こちらはテキーラの原料・アガベのエキスが入ったオリジナルメキシコビール。「ビールをひとつください」は、「ウナ セルベッサ ポルファボール(Una cerveza, por favor)」。
メキシコ料理の定番「エンチラーダ」は、サン・ミゲル・デ・アジェンデのカフェにて。メニューが読めない場合は、指をさして「エスト ポルファボール(Esto, por favor)」と言うと、「これをお願いします」ということが伝わる。

 ビールやワインを飲んだらもちろんトイレに行きたくなる! というわけで、「トイレはどこですか?」。

「ドンデ エスタ エル バーニョ(Dónde está el baño)?」

 はマストで覚えておきたい。ドンデは「どこ」、エスタは「ある」、エル バーニョは「トイレ」。緊急時には「エル バーニョ??」と、切羽詰まった顔で語尾を上げながら聞くと、きっと察してくれるにちがいない。

世界遺産に登録されているアトトニルコでは、メキシコにおけるバロック建築の最高峰とされる「アトトニルコの聖地」(教会)を見学したい。街で道に迷ったときにも「ドンデ エスタ ○○(Dónde está 行きたい場所の名前)?」のフレーズが役立つ。
メキシコシティにある「ラ パロミジャ(La Palomilla)」は、2016年10月にオープンした新しいスタイルのブティックホテル。「La Palomillaはどこですか」と聞きたければ「ドンデ エスタ ラ パロミジャ(Dónde está La Palomilla)?」と言おう。質問をするときは語尾を上げるのがポイント。(C)La Palomilla

 行きたい場所を教えてもらったり、オーダーしたものを持ってきてもらったり。そんなときには、この言葉でお礼の気持ちを伝えよう。

「グラシアス(Gracias)」

 レストランでトイレがある場所まで案内してくれた、なぜだか大盛りにしてくれた……そんなときに伝えたいのは「むちゃくちゃありがとう!」の想い。そんなときには、これ。

「ムチャス グラシアス(Muchas gracias)」

 とても簡単だ。

グアナファトから車で約1時間の場所にある小さな街、ドローレス・イダルゴで出会った女子高校生が、美味しいジェラート屋さんを教えてくれた。¡¡Muchas gracias!!

 ありがとうを伝えられるのなら、ごめんなさいを伝える言葉も知っておこう。うっかりお水をこぼしちゃった、隣の人に軽くぶつかっちゃった……意外とよくあるこんなシーンでは、英語でいうところの「Sorry」、

「ぺルドン(Perdón)」

 が言えるといいだろう。

2017.08.21(月)
文=CREA WEB編集室
撮影=中山理佐