近代日本が生んだ国際的版画家「棟方志功」の板画、倭画、油画、書の逸品を展覧
西武福井店では、没後50年を迎え再び注目されている近代日本の生んだ類稀の芸術家
棟方志功の作品を取りそろえて、「-没後50年- 棟方志功作品展」を開催いたします。
日本国内はもとより、世界的に高い評価を得た版画家・棟方志功（1903- 1975）。
一心不乱に版木に向かう棟方の姿は、多くの人びとの記憶に刻み込まれていることと思います。
青森市に生を受けた棟方は、はじめゴッホの向日葵の絵に感銘を受け洋画家を志して上京、
独学で念願の帝展入選を果たしましたが、その間日本の伝統的木版画のもつ豊かな芸術性に開眼し、
油絵から版画に転じ、この道に専念することを決意することに至りました。
そのエネルギーに満ち、深い精神性や民族性に溢れた独創的な作品群は、戦後になると1952年
スイス・ルガノ国際版画展での日本人初の優秀賞を皮切りに、1955年サンパウロ・ビエンナーレで
は版画部門最高賞、1956年ヴェネツィア・ビエンナーレでは国際版画大賞（グランプリ）の受賞と
海外で高い評価を重ね、国際的な評価を不変のものとしました。ゴッホに憧れた青年は、ゴッホに
はならず、世界のムナカタになりました。国内では1970年に文化勲章を授与されております。
「愛してもアイシきれない 驚いてもオドロキきれない 歓んでもヨロコビきれない 哀しんでも
カナシミきれない」の言葉に代表されるように、家族・友人・恩人を愛し、雄々しく豊穣なる大自然
に驚き、新たなる息吹に歓び、故郷青森の宿命に哀しみ、世界中の幸福を祈りました。出会った
人びとに常に笑顔の印象を残し、72年の生涯を駆け抜け、現代にも通づる忘れてはならない何か
を示し続けました。
“夢中だということ・・・夢中でものができなくちゃダメだということ”
そんな棟方志功の芸業、初期から晩年までの板画、倭画、油画、書の逸品の数々100余点をご堪
能いただきます。本展が時代が移り変わろうとも輝きを失うことのない棟方芸術の再確認の場と
なれば幸いです。ぜひこの機会にご高覧くださいますようご案内申しあげます。
棟方志功
1903 青森市生まれ
1926 川上澄生の版画を見て感動 版画を志す
1956 第28回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展にて国際版画大賞(グランプリ)受賞
1962 富山県真言密宗大本山日石寺、京都市嵯峨法輪寺 各寺より法眼位を叙位
1970 文化勲章受章 文化功労者に顕彰される
1975 逝去 72歳 従三位に叙され銀杯一組を賜る 青森市に棟方志功記念館開館
「柳緑花紅の柵」40.9×30.3cm
-没後５０年- 棟方志功作品展
■会期 ： ５月２１日(水)～6月２日(月)※最終日は午後５時閉場
■会場 ： ６階=催事場 ■後援：福井新聞社
■特別企画
津軽三味線生演奏 ◆5月25日（日）１.午前11時～ ２.午後2時～ 各約30分
◆本展会場内にて 土生(はぶ)みさお氏 演奏
