元貴族の館・ロスチャイルド館で古今東西のアートが対峙、あるいは融合する。 入り口で迎えるのは、宮田亮平氏による真鍮製の銅鑼。邸宅内の白い壁によく映える。 顔料を用いて描かれた菊や桐、桜、桃、鶴などが華やかに咲き、舞い踊る。 吹き抜けになっているエントランスの天井から自然光が差す。顔料が光に反射して、微妙な変化を生む。 鏡にシャンデリアが映り、奥行きを感じるサロンには縄文土器とその破片に、彫刻ドレスが同居する。 自然光を背景に、火焔型土器と彫刻ドレスのダイナミックで複雑なシルエットが浮かぶ。 デニムを積層させたキューブをグラインダーで削ったドレス。ドレスから削り落ちて出た素材を、作品の下に丸く盛っている。 縄文土器の破片を並べたテーブルでは、造形の細部を観察することができる。infinity=永遠、を表す配置がユニーク。 この館で一番豪華な部屋。天井画が描かれ、シャンデリアが輝くなか、床一面に割れた大地をイメージさせる荒涼とした風景が広がる。 石の破片を敷き詰めた床。重ねた破片は賽の河原のようにも見える。 階段を登る途中の壁に、可憐な朝顔が咲く。(C)Courtesy of Gallery Koyanagi 葉には病葉のように小さな穴が開く、写実的な表現。(C)Courtesy of Gallery Koyanagi 朝顔の下に立つ須田氏。2つの朝顔で、日本の夏をこの空間に表現。 非常口に対する場所に、もうひとつの朝顔が咲き、呼応する。(C)Courtesy of Gallery Koyanagi 瀟洒な邸宅の設えとは異質な存在の、非常口のプレート。この側にあえて朝顔を配したという。(C)Courtesy of Gallery Koyanagi 一村の傑作が一堂に会する。南国らしい太陽の明るさと、雨量の多い湿潤な奄美の気候を、鮮やかな色彩と水墨で表現。(C)Hiroshi Niiyama 晩年の傑作《不喰芋(くわいずも)と蘇鉄(そてつ)》を中心に、向かって左が《枇榔樹(びろうじゅ)の森》、右が《草花に蝶と蛾》。(C)Hiroshi Niiyama 南国の植生が楽しめるウィンター・ガーデン。一村がよく描いた蘇轍も見られる。(C)Hiroshi Niiyama ビデオを通して、奄美の自然や染色工として働いた紬工場など、一村の奄美での暮らしを追体験できる。(キュレーター・黒沢聖覇、ビデオアーティスト・東加奈子、サウンドアーティスト・梅沢英樹) 左から、《枇榔(びろう)と浜木綿(はまゆう)》、何層にも重なるガジュマルの気根とミミズクを描いた《榕樹に虎みゝづく》、そして、色紙サイズながら精緻に描きこまれた小作品群。(C)Hiroshi Niiyama パリのあちこちで出合った「深みへ」展のポスター。 パリのあちこちで出合った「深みへ」展のポスター。 パリのあちこちで出合った「深みへ」展のポスター。 記事を読む