パリの極上ホテルの地下に広がる
秘密のカーヴで杯を交わす

シェフとともにマルシェに出向き、ソムリエに導かれカーヴを探検

左：“シェフと一緒にマルシェ”では、ホテル近くのマルシェに屋台を出す高名な野菜農家ジョエル・チエボー氏も訪ねる。
右：MOF称号を持つシェフ、エリック・ブリファー氏。

左：ラングスティーヌとカブ。フレッシュな前菜。
右：マトウダイと、ベルガモットを香らせたミニニンジン。香り高い魚料理。

 そんな美味しい思い出を、さらに印象的にしてくれるサービスが2013年から始まった。“シェフと一緒にマルシェ”と、“カーヴ探訪”だ。前者は、総シェフのエリック・ブリファー氏とともに、近くのマルシェに出向き、旬の野菜や果物を一緒に購入。立ち寄る屋台でシェフや生産者による食材解説も行われる。ホテルに戻り、厨房スペースへ。シャルキュトリーやチーズで軽食をとった後は、シェフによる料理デモ。参加者も、エプロンをつけてお手伝い。前菜、主菜、デザートを作り、最後はシャンパンで乾杯しながらランチを楽しむ。もうひとつは、地下に広がる美しいカーヴをソムリエに案内してもらい、3種のワインをカナッペを楽しみながら試飲する“カーヴ探訪”。どちらも、ホテルやレストランのゲストに無料で提供する。ダイニングというオンの場ではなく、マルシェや厨房、カーヴというオフの場で楽しめる、希有で美味しい極上体験だ。

ホテル地下に広がるカーヴは、かつての石切り場を利用していて、ここで切り出された石は凱旋門の建設に使われた。パリきっての美しさと評判高いカーヴを訪れワインテイスティングを楽しむ、とっておきのひと時。

撮影＝武田正彦
文＝加納雪乃