2014年2月16日まで「シンガポールビエンナーレ2013」を開催!

 19世紀に築かれたシンガポール・アートミュージアムのエキゾチックな回廊に不思議な声が響き、コロニアル様式を今に伝える歴史的建造物ナショナルミュージアム・オブ・シンガポールの前庭には、遊牧民のテントを思わせる形をした竹製の巨大オブジェが登場。これらは、2013年10月26日から開催中の「シンガポールビエンナーレ2013」に出展された作品の一部。美術館や博物館が集中しているブラス・バサー(Bras Basah)やブギス(Bugis)エリアをメイン会場に、シンガポールでは今、街頭や美術館の敷地内にこうしたアート作品がたくさん展示されて道ゆく人の目を楽しませている。

 4回目となる今回のビエンナーレは、東南アジアのコンテンポラリーアートに焦点をあて、「If The World Changed(もしも世界が変わったら?)」がテーマ。私たちが現在生きているこの世界をもう一度考え直してみるとともに、どんな世界に変わってほしいのかという問いに答える、82組のアーティストとアートグループの作品を紹介。その多様性と個々の違い、同時に存在する共通点を鑑賞者に伝えることで、アジア太平洋地域独自のアイデンティティを浮かび上がらせることを目指している。東南アジアの文化・芸術に造詣の深い専門家27人が共同でキュレーターを務めるユニークな試みも、地域のバラエティとダイナミズムを伝える仕掛けのひとつ。

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