日本からわずか3時間半でマリアナブルーの海が魅力的なサンゴの楽園に到着する。北マリアナ諸島の島々はどこか懐かしく、旅人をもてなすホスピタリティに満ちている。

 ヴァカンスを楽しみながら、心身をリラクゼーションへと導こう。

美しい自然と癒やしに満ちた常夏のリゾートアイランド

 波の音、鳥の声とともに目を覚ましたら、心の赴くまま海で過ごしたり、マリアナの味覚を満喫したり、時にはマリンアクティビティやゴルフを楽しんでみたり。そんな気ままな旅が叶うのが、北マリアナ諸島の玄関口で最も大きい島、サイパンだ。

 サイパンは成田から約3時間半の直行便で行くことができる、日本から一番近い英語圏の南国リゾート。時差はわずか1時間。年間を通して温暖な気候で、いつ訪れても常夏の世界を満喫できる。

 サイパン島をはじめとする14の島で構成された北マリアナ諸島は、白い砂浜や、マリアナブルーに輝く海、熱帯雨林のジャングルといった、美しい自然が広がる楽園だ。近海には900以上の海洋生物が生息すると言われており、シュノーケリングやダイビングを楽しむ人にとっては絶好の場所だろう。この穏やかな景観とは対照的に、崖が海にそそり立つような、勇壮な風景もあちらこちらで見られる。

 サイパンを拠点に2つの離島を巡ってみるのもまた、新しい出合いと発見に満ちた旅となる。サイパン島から約30分のフライトで行けるロタ島は、チャモロ文化が色濃く残る素朴な島で、海の透明度は諸島一と評判。

 ボートに乗り、10分もせずに辿りついたポイント、コーラルガーデンでのスノーケル体験はロタ島でしか味わえない極上のひと時だ。海底まで見通せる透き通った海に、彩り豊かな魚たちが戯れる様はいつまでも眺めていたくなるほど。

 また、ベストビーチに何度も選ばれたテテトビーチは、遠浅の穏やかな海に白砂の広いビーチが広がり、まるで天国を訪れたかのような錯覚を覚えるほどの美しさだ。

 一方、サイパンから小型飛行機で約15分と、目と鼻の先にあるテニアン島は、島内を牛がのんびりと歩く景色を至るところで目にする、のどかな空気が流れる島。

 古代タガ王朝時代に王族のプライベートビーチだったとされる美しいタガビーチや多くの謎に包まれるタガ遺跡、スペイン統治の名残を感じさせる教会の鐘楼や、日本統治時代の神社跡、そして日米が熾烈な戦いを行なった太平洋戦争の戦跡など、小さな島が辿った複雑な歴史の一面に触れることができる。

 この島々で過ごしていて、何よりも幸福感を与えてくれるのが、島民の温かいおもてなしだ。人々の優しさ溢れる笑顔に触れていると、次第に無垢な気持ちで満たされてゆくのを感じる。またここに帰ってきたい。そう思わせてくれる癒やしの時間が流れているのだ。

2022.10.25(火)
文=佐藤由樹
写真=榎本麻美
取材協力=マリアナ政府観光局/MVA

CREA 2022 vol.4
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