好きな花ランキングを見ると、男性の1位は「サクラ」、女性の1位は「バラ」だそうです。歴史を振り返ってみても、バラがいかに女性に愛されているかがよくわかります。

 ナポレオン皇帝の妃ジョセフィーヌは多くの園芸家や育種家のパトロンになり、最もバラを愛した女性とも言われています。

 また意外なところだと、源氏物語にも庭に咲く植物としてバラが登場します。作者の紫式部もバラを愛でていたのかもしれません。

 そんな日本人にとっても馴染み深いバラですが、「バラは特別な日にもらうもの」、「自分用に花屋さんで買って帰るのはハードルが高い」といった声もよく耳にします。

 バラは好きだけど、いまいち日常生活にとり入れることができていない方も多いのではないでしょうか。

 今回はバラのある暮らしを手軽に始めるコツを2つご紹介します。ポイントは「時期」と「名前」です。


6・7・8月の3カ月はバラの値段が下がる!

 バラには価格の下がる時期がありますので、その時期をねらうといいでしょう。また、花屋さんによく並ぶ品種もありますので、その名前を覚えると花屋さんでの花選びもぐっと楽しくなります。

 時期と名前を覚えて、この夏はバラのある暮らしを始めてみませんか?

 このグラフは、2020年から3年間の月別平均卸売価格を示したものです。

 花も魚や野菜などと同様に卸売市場で取引され、その時の需要と供給のバランスで卸売り価格が決まります。

 卸売市場や仲卸業者を介して花屋さんなどの小売業者が花を仕入れて最終的な販売価格を付けますので、最初の卸売価格が安くなれば当然花屋さんでの店頭価格も安くなります。

 ここで注目したいのがグラフの中心の谷になっている部分です。1月は価格が高く、春先にかけて若干上がったり下がったりしながら、6月・7月・8月の3カ月の間は値を下げ、その後冬に向かうにつれて徐々に価格が上昇していきます。

 つまり、夏の今の時期が一番バラの卸売価格が安いということです。ピークの月と比べると100円近くの値段の差が出ていますので、その後の販売価格の差も容易に想像できます。

 バラは値段が高くて頻繁には買えない、という方は買いやすくなりますし、いつもは1本で我慢している方も数本買ってアレンジできたりします。

 また、著名な生産者が作るブランドバラや希少品種のバラなど、普段なかなか手が届かない高クオリティのバラを手に入れるチャンスでもあります。

2022.07.10(日)
文=佐藤俊輔