コロナで大会が流れるなど大変な時期もありましたが、一昨年(2020年)の四大大陸選手権女子シングルで2位、昨年のシニアグランプリでも3位となり、一気に注目が集まりました。今大会で期待がかかる選手のひとりです。キム・ヨナの強みがしなやかさならばユ選手はそれに力強さが加わります。北京オリンピックではやはりロシア勢が優勢ですが、まだ17歳、少しでもいい成績を残して次につなげてほしいですね」

 また、1月末に行われた国際スケート連盟(ISU)4大陸選手権で韓国の男性フィギュアスケートシングル史上初の優勝を飾ったチャ・ジュンファン選手にも、にわかに関心が高まっている。チャ選手は平昌オリンピックでは15位だった。幼い頃にドラマや広告に出演した子役俳優として知られ、フィギュアスケートは演技のために始めたという。コーチは羽生選手と同じ、ブライアン・オーサーコーチに指導を受けている。

 今回の大会では、オーサーコーチはチャ選手のコーチとして参加している。これは羽生選手自身の決断と伝えられたが、そこにはどんな思いがあるのだろうか。 

 そして、なんといっても韓国で人気の選手といえばスピードスケートの小平奈緒選手だ。

 

大きな反響を呼んだ李相花元選手への気遣い

 韓国では平昌オリンピックで見せたライバル、李相花元選手への気遣いが大きな反響を呼んだ。

 小平選手は500Mで新記録を出し、歓喜した観客が大きな声援を送ったが、小平選手は次に滑る李元選手を気遣い、それを制止した。レースが終わると、2位となり涙にむせぶ李元選手のもとに歩み寄り、包み込むように抱擁しながらふたりでリンクを一周した光景は今でも名場面として語り継がれている。

 その李元選手は平昌オリンピックで現役を引退。今大会では地上波KBSの解説者として北京入りしているが、現地でのインタビューで小平選手について触れられると、「競技前は誰かに会うようなことはルーティンを壊すことになるので競技後に(小平選手と)会いたい」と気遣いを見せ、「彼女の気持ちも、ここまでの道のりも知っているので、まるで私が滑るような感じ」(ソウル新聞、2月4日)と涙ぐんだ。 

2022.02.14(月)
文=菅野朋子