建築・デザイン・アートが融合する秋の期間限定企画を開催
金融街として発展した東京・日本橋兜町を再び活性化させたいとの思いから、2020年2月に開業したマイクロ複合施設「K5」。
ホテルと4つの飲食コンテンツからなる施設は、1923年竣工した歴史的建造物、旧第一国立銀行の外観、躯体はそのままに、内部を丁寧にリノベーション。ストックホルムを拠点に活動する建築家パートナーシップ「CLAESSON KOIVISTO RUNE(以下CKR)」が空間デザインを手がけた。
北欧と和のテイストを絶妙なバランスでブレンドし、植栽をふんだんに配したデザイン性あふれる館内。その2~4階を占めるのが、ブティックホテル「HOTEL K5」だ。
全20室の客室は、スタンダードルームにもCKRによるオリジナル家具を設置するなど、快適性がありながら、感性を刺激する独自の空間を生み出している。
この秋には、今年で21回目を迎える「ELLE DECOR DESIGN WALK 2021」に参加し、ホテルの世界観を体感できるアート空間として、スイートルーム「K5 LOFT」を一般開放。オリジナルの家具やインテリア品などを実際に見て購入できる展示販売会「LOFT EXHIBITION」を開催して話題を集めた。
さらにこの秋は、ホテル空間とアート・工芸品の融合をめざした新しいプロジェクト「STAY with ART」をスタート。
第1回目の「STAY with ART」は、2021年11 月30 日まで開催。新木場の複合施設「CASICA」のディレクションにも携わる Circus 社の代表・鈴木善雄氏をキュレーターに迎え、土器の造形からインスパイアされた花器などの陶器をはじめ、そこから派生された版画や絵画も手がけるアーティスト野口寛斉氏をフィーチャーする。
館内1 階のコーヒーショップ「Switch Coffee」 と「HOTEL K5」の 一部の客室をギャラリーに見立て、野口氏の作品を中心に、さまざまな作家の作品や古物などを展示販売している。
客室に展示される作品にアクセスできるのは、その部屋に宿泊するゲストのみ。特別なインテリアとその空間をプライベートに楽しめる、今だけのステイとなる。
今後も、展示ジャンルやアーティストを変えながら、「HOTEL K5」の客室と、館内のレストラン、ビアホール、バー、コーヒーショップを舞台に展開していくという「STAY with ART」。これからの動向にも注目したい。
K5
所在地 東京都中央区日本橋兜町3-5
電話番号 03-5962-3485
https://k5-tokyo.com/
文=中村美枝(JAM SESSION)