知的好奇心と舌と目を同時に満たしてくれる

紅茶はもちろん、茶器も幅広く扱っている

 ずらりと棚に並んだお茶は、ハーブティーや中国茶を含め、常時200種類くらいを用意。こちらも、伝統に立ち返ったブレンドを提供しているのが特徴です。そのため、通常スーパーなどで市販されているブレンドティーと、若干香りが異なることも。

「アールグレーは、現在ではベルガモットの香り、というのが、多くの人がもっているイメージだと思います。しかし19世紀、東インド会社の植物学者、ジョージ・スタウントンが書いたアールグレーに関する記述には、『中国人はネロリでお茶に香りを付けている』とあるのです。当時の英国では、ネロリが手に入らず、それに一番近く入手可能な香りが、ベルガモットだった、ということなのでしょう。東インド会社のアールグレーは、オリジナルであるネロリで香りをつけています」(マナンさん)。

東インド会社の店内。1700年代から1800年代のジョージア朝スタイルを意識している

 コーヒーや紅茶は、試飲用のテーブルがあり、また多くのビスケットやチョコレート、ジャムやソース類も試食可能。壁に展示されている、東インド会社の歴史的な資料は、さながら博物館のようで、ただ眺めているだけで時間が過ぎてしまいます。知的好奇心と舌と目を同時に満たしてくれる、ユニークなショップ。日本へのおみやげ選びに、いままでとちょっと違った食品を見つけられそうです。

The East India Company
住所 7-8 Conduit Street, London W1S 2XF
電話番号 0203-205-3395
営業時間 月~土曜日 10:00~19:00、日曜日 12:00~18:00

Kazuyo Yasuda(KRess Europe)
ロンドンを拠点とする編集プロダクションKRess Europeの代表。現在、ヨーロッパでの生活をテーマとした初めての電子書籍を年内に刊行すべく、準備中。

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

text&photographs:Kazuyo Yasuda(KRess Europe)