バルセロナでブームの
「フレキシテリアン料理」とは

カジュアル&シックな「Flax & Kale Passage(フラックス&ケール・パッサージュ)」の店内。写真中央、左寄りに見えるオレンジ色の光は、ピザ用の薪窯。目の前で焼き上げてくれる。

 スペイン人の食生活といえば、オリーブオイルをたっぷり使い、お肉や魚介をしっかり食べているイメージですが、近年若い世代を中心にブーム(!?)の兆しが見えるのが「フレキシテリアン料理」です。

 あまり聞きなれない言葉ですが、その内容は「基本は野菜中心。たまにお肉やお魚」という、セミ・ベジタリアンとでもいうべき食事スタイル。もともと野菜メニューが豊富な日本人からすると、ごく普通の健康的な食事じゃないの? という感じですが、ここバルセロナではフレキシテリアン料理を謳ったカフェやレストランが注目を集めています。

 なかでも一番人気は「Flax & Kale(フラックス&ケール)」。フレキシテリアンをベースにした個性的なメニューが評判を呼び、現在はバルセロナ市内に3店舗を構えますが、今回はそのうちの2軒をご紹介します。

◆Flax & Kale Passage

レストランに隣接する「Kombucha Lab(コンブチャ・ラボ)」。白衣を着たスタッフがコンブチャを扱っている様子が、ガラス越しに見える。ちなみにこちらでコンブチャと呼ばれるのは、いわゆる紅茶キノコ。

 2017年11月にオープンした一番新しい店舗。フレキシテリアンとアジア料理のフュージョンで、ますますメニューの幅が広がりました。また、店内の窯で焼かれているグルテンフリーのピザが何種類もあり、アレルギーが気になる人にも喜ばれています。

しいたけや蓮根も入ったカレー。お茶碗に盛られたご飯がついてくる。奥は、サーモンのせいろ蒸し。パンはすべてグルテンフリー。

 料理を選ぶ際、メニューを読むと使われている素材が詳しく書かれていますが、そのほとんどが一体どんな料理なのか見当がつかないものばかり。実際に料理が運ばれてきて「わぁ~」、口にしてみて「へぇ~」と、お客さんもそのサプライズ感を楽しんでいます。

 日本人にはなじみやすい素材や味付けのものも多く、旅行中、スペイン料理にはちょっと飽きたけれど、かといって単に和食や中華にするのは味気ない、というような時にはぴったりかもしれません。

ずらりと並ぶコールドプレスジュースの数々。「green slim fit」「forever young」「detox」など魅力的な名前が目に付く。これらのジュースはFlax & Kaleの3店いずれでも楽しめる。

文・撮影=坪田みゆき