山から注がれる豊富なミネラルを含む海水と強い潮の流れで育まれ、身が締まり味がのる瀬戸内の海の幸。フグやワタリガニ、赤舌平目、カサゴ、イイダコといった寒さが増す冬が旬となる魚介もまた、瀬戸内旅の醍醐味だ。ひと皿ごとに瀬戸内の豊かさを実感せずにはいられない口福の時を。
» 第2回 いい店の手本を見るようなワインと料理と雰囲気と
» 第3回 アタックの強い料理で瀬戸内が美食の地と実感
» 第4回 生まれ変わった空間で地産地消の恵みに舌鼓
大胆なひと皿に心沸く
絶景のイタリアン
◆acca(アッカ)
東京・広尾で人気を博したイタリアンが移転先に選んだのは岡山県の牛窓。「瀬戸内を巡って、最後に辿り着いたのがここ。オリーブ園からの景色を見て、ここだと」と林冬青シェフ。客席からもキッチンからも、瀬戸内海が見えるグッドロケーション。
右:“ワタリガニのアーリオオーリオ”。味の決め手は、味噌と地元産コラトゥーラ(魚醬)。
「瀬戸内の中でも牛窓の海は流れが速いから、海底の魚介も泥臭くなくて美味しい」と、毎日使う分だけ手に入れる魚介のほとんどは牛窓産だ。
「焼くだけで勝手に美味しくなる」からと、料理はシンプル。とはいえ薪で焼き上げる鯛、アーリオオーリオに仕立てるワタリガニなど、火入れは抜群。
目にも舌にも感動をもたらす料理となっている。完全予約制なので早めに連絡を。
右:高い天井が開放感をもたらしてくれる。
acca(アッカ)
所在地 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓496 牛窓国際交流ヴィラ
電話番号 090-7997-4586
営業時間 17:00~18:30スタート
定休日 水曜、日曜、不定休
写真=福森クニヒロ
取材・文=大和まこ