手作りせずにはいられない英国人たちが大集合
作って、学んで、買い物できるハンドメイドの祭典

縫い物の先生、リビー・ローズさんのピンクのミニバスのなかでは、ポーチやエコバッグをつくる教室が行われていました。このバスが英国中を移動して、さまざまな場所で縫い物教室を開催しています。

 ここ数年、英国では自宅でできるクラフト・ワークや、パンやケーキ作りなど、いわゆる「ひと手間かけた家庭生活」につながるテレビ番組が人気です。もともとDIYが大好きなお国柄なだけに、これもまた理解できる傾向ではあります。

木べらを、好きなようにペイントできるスペース。

 そんないま人気のホーム・クラフト番組を数多く担当、「ハンドメイド・クイーン」の異名を持つプレゼンター、カースティー・オールソップさんが全体プレゼンターを務める祭典「ハンドメイド・フェア」が、2016年9月16日~18日の3日間、ハンプトン・コート・パレスで開催されました。

小さな三角旗で飾られたカートに乗って、会場内を移動するカースティー・オールソップさん。小さな女の子から差し出されたカーネーションを手に記念撮影。

 会場となった「ザ・グリーン・アット・ハンプトン・コート・パレス」は、パレスと道路を挟んで反対側にある巨大な広場。

 ここに、レクチャーやデモンストレーションが行われるスーパー・シアター、4つのワークショップ会場、300以上のクラフト関連業者が軒を連ねるショッピング・ビレッジのほか、ミシン教室などを提供するテントの数々、そしてフード&ドリンクを扱う屋台などが設置され、まる1日、手作りしながら食も楽しめる環境が整っているのです。

ショッピング・ビレッジには、洋服の型紙やファブリック、縫い物・編み物関連のプロダクトのほか、アクセサリーやカードなど手作り感溢れるものがたくさん並んでいます。
以前このコラムでご紹介したCambridge Imprintの三姉妹の姿も。
ハンプトン・コート・パレスのなかには、王立の刺繍学校もあり、クラフトとは縁のある宮殿です。

 この祭典を協賛している英国の人気クラフト雑誌「Mollie Makes」は、ちょっとレトロなクラフト・カフェを開催。お茶やケーキを楽しみながら、オリジナルのキットを使って、女性たちがポンポン・ネックレスの制作中でした。

クラフト雑誌「Mollie Makes」が開催するカフェ。ケーキとお茶とクラフトをいっぺんに楽しめるスポットです。
「Mollie Makes」カフェでは、オリジナルのキットを使って、ポンポン・ネックレスをつくる女性たちが。

 ほかにもお料理用の木べらを好きなようにペイントできるテントや、エコバッグやポーチの作り方を教えるピンクのミニバスなど、試してみたい、学んでみたいことがいっぱいのイベントです。

文・撮影=安田和代(KRess Europe)