地下に出現したのは秘密クラブのドア!?
ロンドナーたちが夜ごと酒宴を楽しむ場所

「これがカクテル？」という驚きがいっぱいのドリンク

戦後のムードたっぷりのバーエリア。(C)Cahoots

 戦後のムードを再現しているのはインテリアだけではありません。「キングリー・コート・ヘラルド(1946年)」と新聞風のメニューに掲載されている50種類以上のカクテルにも、さまざまな秘密が隠されています。秘密クラブというコンセプトだけあって、お酒とわからないようなティーポットや水筒、ミルク瓶から、まるで置物のような容器まで、さまざまな器でテーブルに運ばれてきます。

新聞風のメニューの最後のページには、クロスワードまで掲載されています。

一見、花瓶か置物か、というようなカクテル。左はジンとプラム・リキュール・ベースのジプシー・キス(10.00ポンド)、右はジンにジンジャー・ワイン、アップルジュース、エルダーフラワー・シロップなどがミックスされたヴェラ・リン(12.00ポンド)。

左：レトロなワンピース姿のスタッフが、ヴィンテージの水筒で水を注いでくれます。
右：フレンドリーなバー・スタッフたちも、タイムトリップ感満点の衣装。

19時前から生バンドの演奏が始まる。心地のいい空間でカクテルを片手に聴くジャズは懐かしい調べ。

 サンドイッチなどのスナック類も、「メス・ティン」と呼ばれる戦時中に兵士がつかっていたアルミのお弁当箱で供されます。ウェイトレスやウェイターの衣装ももちろん、戦後ロンドン風。各テーブルをまわってグラスに水を注ぐときにも、使っているのはヴィンテージの水筒です。

 ライブバンドが奏でるジャズの調べもムードたっぷり。ちょっと変わったカクテルとタイムトリップ気分を楽しみたいときにはおすすめのスポットです。月曜日の早い時間から、満席になる人気店なので、オンラインで予約をしてからどうぞ。

文・撮影＝安田和代(KRess Europe)