小田島久恵のときめきクラシック道場

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プッチーニの傑作オペラ『トスカ』で
ヒロインを務めるふたりの覚悟とは?

脱獄、革命、裏切り、殺人……波瀾の物語

怒涛のごとき運命に翻弄されるヒロイン、フローリア・トスカを演じる野田ヒロ子さん(左・1/30出演)と佐藤康子さん(右・1/31出演)。

 オペラといえば何をおいてもプッチーニ! である。

 『ラ・ボエーム』『蝶々夫人』『トゥーランドット』など、数々の名作でオペラファンを魅了し、血沸き肉躍る愛のドラマを書き続け、舞台の上のヒロインの「報われなさ」に涙まで流させてしまう天才プッチーニ。

 オペラファンが「ヴェルディ派」と「プッチーニ派」に分けられるのなら、筆者は迷わずプッチーニ派を名乗りたい。モダンなオーケストラの書法や、演劇的な表現力……特にヒロインの性格描写には、作曲家の卓越したセンスを感じずにはいられない。

 2016年1月に日本の老舗オペラ・カンパニー藤原歌劇団が上演する『トスカ』は、プッチーニ・オペラの中でも傑作中の傑作。オペラ芸術の金字塔ともいえる不朽の人気作で、1800年のローマを舞台に、革命のたった一日の出来事が描かれている。

 ヒロインのフローリア・トスカは、プッチーニの個性的なヒロインの中でもさらに個性的だ。オペラの物語の中に、脱獄、革命、リンチ、レイプ、裏切り、殺人……といったおどろおどろしい要素が全部そろっているのも見逃せない。

 主演のトスカには、ドラマティックで強靭な声と、敏捷で輝かしいテクニックの両方が求められ、それだけではなくパーフェクトな演技力も求められるのだ。

 ソプラノにとっては夢でもあり、大きなハードルでもある難役トスカ。主役のダブルキャストに抜擢されたソプラノ歌手の野田ヒロ子さんと佐藤康子さんに、お稽古の様子や役への取り組みについて尋ねてみた。

<次のページ> 情熱的なトスカはまさに「ローマの女」

2016.01.27(水)

文=小田島久恵
撮影=佐藤 亘

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