世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第171回は、大沢さつきさんがリュクスを極めたバンコクのホテルにステイします!

豪華なブティックホテルは
世界的なトレンド

際立つ白にシャープな黒のライン。アールデコ・モダンな「ザ・サイアム」のメイン棟。

 日本だけでなく、欧米のツーリストからも熱い視線を集めているタイ、バンコク。トレンドレストランの「ガガン」が注目されるずっと以前から、タイ料理は欧米のシェフたちに取り入れられてきたけれど……いまやバンコク自体が、空前のグルメブーム! 続々と評判のレストランがオープンしている。

 そして、料理同様に旅行者の人気を呼んでいるのが、隠れ家的なブティックホテルだ。20世紀初頭のロイヤルファミリーの別宅を改装した「チャクラポン ヴィラ」が、その走り。

 少ない部屋数で、行き届いたサービスを信条とするブティックホテルが、バンコクだけでなく、タイ中に広がりを見せている。クラシックな邸宅をホテルにしているところが多いけれど、中にはモダンなしつらえで人気を博しているところも。

ロビー。こぢんまりとしたホテルながら、抜ける空間を生かすことですっきり広々。

 今回ご紹介するザ・サイアムは、アールデコ・デザインで仕立てられたクラシック・モダンなホテル。いまやバンコクで、知る人ぞ知る超人気のラグジュアリー・ホテルだ。

 39の客室はすべてがスイートルームとヴィラ。バンコク初のアーバンリゾートとして、チャオプラヤ川沿いに立つ。オーナーの趣味が際立った、それも洗練されたセンスがなせる、ほかにはないホテルが、このザ・サイアム。

どことなくアンティークな雰囲気漂うレセプション。ウェルカムドリンクを飲みながら、チェックインの準備が整うのを待つ。

 この隠れ家ホテルは、かのマンダリン オリエンタル バンコクを筆頭に、グローバルブランドの5ツ星ホテルが軒を連ねるバンコクにあって、個性的かつスタイリッシュなホテルとして、いまやホテル好きには憧れの存在となっている。

左:タイ風に手を合わせて、腰を引いての会釈姿勢の「ミシュランマン」。ロビーラウンジの奥にあるアンティークショップで扱っている商品だ。
右:ロビーラウンジのコーナーにもアンティーク……。真っ白な空間に不思議と調和している。
ロビーラウンジに併設のカフェ。2017年11月現在、準備中で営業していないが、アンティークの動物が置かれていて、動物園のような楽しさを演出している。

2017.12.14(木)
文=大沢さつき