森閑としたゲストスペースは
陽光がたっぷり射して居心地最高

いきなりのアトリウム仕様に、巨大な熱帯植物。ここはパリのオルセー美術館からヒントを得て生まれたというけど……吹き抜けの感じを取り入れたのかな?

 パブリックスペースから通路を隔ててレジデンス棟へ。一転、植物園のような熱帯植物のジャングルに迎えられる。3階分の高さの吹き抜けを突き抜けるグリーンと真っ白な壁とガラス、それらをくっきりと縁取る黒のラインが、とってもクールだ。

最上階の3階はこんな感じ。植物の巨大さが分かるかと。

 この吹き抜けを囲むように客室が並ぶ。1階にはライブラリーやジム、オーナーが蒐集した1000点以上ものアンティーク美術品もディスプレーされ、さながら邸宅を訪れたようなこころ持ち。いや、プライベートギャラリー、小さな美術館に来た気分にすらなってくる。

 いやいや、コレは、スゴイ……。

左:2階にあるレコードルームにも陽が射し込んで、心地よさ抜群。夜の帳が降りるころには、しっとりと落ち着いた部屋になっている。
右:1階のライブラリーの奥はフィルムライブラリーで、スクリーンを備えた小部屋もある。

 このアトリウム空間に配された客室、エントリークラスの「サイアムスイート」もまた、白と黒の空間。そこはかとなく上品に香るアールデコの雰囲気が、どこか郷愁を演出しているようで居心地がいい。

「サイアムスイート」の各部屋にはテーマがあって、陳列されているアンティークが少しずつ違う。
「サイアムスイート」のリビングスペース。
そしてバスルーム。光がたっぷり射し込む部屋の奥に、バスルームを配置しているあたりがニクい。気分は朝風呂!

 メイン棟とは別に建てられた個別のヴィラもまた、趣があって素敵。「プールヴィラ」はメゾネットタイプだが、吹き抜けを生かしたバスルームや、風が抜けるようにしつらえたリビングスペースが秀逸で、これまた居心地満点。さすがはビル・ベンスリーの設計だ。

メイン棟から独立して、川に向けて立つヴィラ。
「プールヴィラ」は扉を開けるとすぐに、こぢんまりとしたプライベートプールが備わる。
ベッドルームのアールデコは、漢字の掛物があるので、ちょっとシノワズリー(中国趣味)な感じ。決して広々としているわけではないが、必要にして十分の、むしろ居心地のよいサイズだ。

2017.12.14(木)
文=大沢さつき