スゴ腕シェフによる
力の抜けた料理がなんともおいしい

シェフ・ダムリの実力は誰しもが認めるところだが、本人、いたって自然体。料理に対しては真摯だけど、リラックス大事というのが信条のようだった。

 ラグジュアリー・ホテルには“おいしさ”が欠かせませんが、そこも抜かりないのがザ・サイアム。ここのダイニングでは、バンコクでも指折りのタイ料理が食べられる。

「伝統的な料理、というものには興味がないんです。もちろん、敬意は払いますけれど、いまの私たちには所詮知りようのない味ではないですか。レシピがあるといっても、想像の域を出ません。そういう意味では、過去の料理です。斬新な料理というものにも興味がありませんね。何を食べているか分からない料理なんて、私はイヤですね」

タイシルクで一代を築いたジム・トンプソンの家を移築したダイニング。アールデコ・モダンなザ・サイアムにあって、ここだけはクラシカルな趣が漂う。随所に飾られたアンティークと同じ感覚?

 ニコニコしながら、ズバッと本音をいうシェフ・ダムリ。彼の料理はすべて、お母さんから教わったものだという。でも、家庭料理って雰囲気ではないのにビックリさせられもするのだけれど……。

手をかけすぎずに調理された一皿は絶品。そしてプレゼンテーションの美しさは……家庭料理じゃないでしょ。

「直接、自分が知っている“おいしさ”なんですよ。母からは、もうひとつ大切なことを教わりました。料理は、ニコニコしながら作りなさい、とね。楽しく作らなければ、おいしいものは作れませんからね」

 と、ニコニコ顔のシェフ・ダムリなのでした。

ポップモダンなダイニングもあり。気分に応じて、ダイニングの雰囲気を選べるのがいいね。
ダイニングから2階のバーフロアに行く階段の踊り場には、クールなワインセラー。

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2017.12.14(木)
文=大沢さつき