城田優からハマリ役と言われた「ブラック メリーポピンズ」ヨナス役

――ヨナスは不安神経症を持っているという難役ですが、初演での周囲の反応はいかがでしたか?

 初演のときに観に来た城田優から「ヨナスがいちばんハマり役だ」と言われました。そのときは、さすがに驚きました。ほかにも、「ヨナス役が一番好き」と言うファンの方もいました。自分ではどの役がハマり役かなんて全然わかりませんが、とても嬉しかったです。

――初演をご覧になられた方、初めてこの作品をご覧になる方に向け、見どころを教えてください。

 今回、アンナ役が中川翔子さんになったことで、兄弟役の僕たちも変わっていくと思いますが、初演と違うところがすべて見どころだと思います。それに最初タイトルを聞いたときに、いろいろな想像ができる作品だと思うんです。ディズニーでも映画化された「メリー・ポピンズ」とはまったく違った、背筋がゾッとするサスペンス・スリラーですが、韓国オリジナル版とは違った、日本版ならではの救いや希望のあるラストも用意されています。また、再演版を観た後には、DVDで初演版も観てもらいたいです。

――現在33歳。アラフォーに向かい、どのような俳優を目指したいと思っていますか?

 10代のときに叶えられなかった夢が、20代で叶えられたこともありましたし、20代で持った目標が、30代になって叶えられたりもしました。それによって新たな課題も出てきたと思うので、今は40代、50代になったときに自分がどういう芝居、どういう歌をやりたいかということを勉強していく期間だと思っています。カタチとして出すのではなく、自分のなかの引き出しを作る期間。「ジキルとハイド」のように今後やってみたい役もありますし、武田鉄矢さんのように豊かな感情を持って、いろんなタイプのお芝居をされる役者さんにも憧れます。

2016.04.22(金)
文=くれい響
撮影=山元茂樹