韓国・ソウルで誕生し、心理スリラーという新たなジャンルを打ち立てたミュージカル「ブラック メリーポピンズ」。2年前の初演に続いてヨナス役を演じる良知真次が、歌って踊れるエンターテイナーへの道について語った。

少年隊に憧れ、エンターテイナーを志す

――1998年、15歳でジャニーズ事務所に入られた良知さんですが、幼少時代の夢は何ですか?

 僕の最初の夢は、警察官になって交番で働くことでした。そして、14歳のときに少年隊に憧れました。別にアイドルになりたいというわけではなく、歌って踊れるエンターテイナーになりたいと思ったんです。それでオーディションを受け、ジャニーズJr.となり、デビューなど、いろいろな目標や夢が生まれていきました。

――その後、2004年4月に劇団四季研究所に入所されますが、その経緯について教えてください。

 いちばん最初にいただいた仕事は、憧れの少年隊のミュージカル「PLAYZONE '98」でした。何も分からないまま青山劇場の舞台に立ったのですが、いろいろなことを教えていただき、学ばせてもらいました。そのときに初めてミュージカルに触れたのですが、3年後、その先の人生を選択するなかで、年齢を重ねてもやることができるエンターテイナー、俳優、役者とは何だろうと考えたんです。そこで自分に実力がないといけないと思い、演劇に特化した厳しい実力社会の劇団四季という道を選ぼうと思いました。

――劇団四季に入るまでの空白の2年間について教えてください。

 四季に入るために、歌やダンスのレッスンをしました。それから小劇場から大劇場まで、ジャンルを問わず、1年間で300本近くの舞台を観に行っていました。そのときにいちばん衝撃を受けたのは、「GODSPELL」という舞台で観た山本耕史くんの存在でした。昼公演を観た後に夜公演も観てしまったほど、山本くんの演技に心を打たれたんです。その後、「ヴォイツェク」で彼と共演したときは感慨深かったです。

2016.04.22(金)
文=くれい響
撮影=山元茂樹