NPO法人アーツセンターあきた(秋田市、理事長:藤浩志)は、民具とアートとアーカイブについて研究者や表現者、ボランティアなどと研究に取組むネットワーク型のプロジェクトを展開中です。

NPO法人アーツセンターあきたは、プロジェクト「民具とアートとアーカイブの研究会(通称:民具ラボ)」の一環として、秋田市在住の収集家・油谷満夫さんが70年以上をかけて集めた民具など(多くが未分類・未整理)の一部をお借りし、秋田市文化創造館を拠点に、研究者や表現者、市民ボランティアとともに分類整理する活動に8月3日(日)から取り組んでいます。
8月25日(月)までの分類整理活動は、残すところ1週間。整理や記録作業は、大詰めを迎えています。これまでに21名のボランティアの方にご協力をいただき、611点の資料を終えました。
毎日18時の作業終了にあわせて、油谷さんやボランティア、スタッフ、来場者と記念写真を撮影。

0日目(8月3日)

1日目(8月4日)

2日目(8月5日)

3日目(8月6日)

4日目(8月7日)※集合写真の撮影なし

5日目(8月8日)

6日目(8月9日)

8日目(8月12日)

9日目(8月13日)

10日目(8月14日)

11日目(8月15日)

12日目(8月16日)
50万点を超える民具などを集める油谷満夫さん
油谷満夫さん(91)は、20代のころから民具や農具、生活用具など、時代やジャンルを問わず幅広く民具などの収集をおこなっています。その数は、現在では50万点を優に超えるとされ、そのうちの20万点は、秋田市に寄贈され、「秋田市油谷これくしょん」として展示・公開されています。
民具ラボでは、市に寄贈された20万点以外の、油谷さん個人所有の民具をお借りし、それらの分類整理を行う活動を2024年7月から開催しています。油谷さんの収集物の多くは未分類、未整理のまま、県内各所の倉庫に保管されています。

油谷満夫(あぶらやみちお)
県立大曲農学校卒。 昭和25年から民具の収集を始める。 昭和54年から13年間、角館町「青柳家」に「民具の館」を開き、「平鹿町農村文化伝承館」の主任に就く。 その後、秋田県湯沢市秋の宮温泉郷に秋乃宮博物館を平成4年に開館。
参加型ですすめる分類整理
第3回目を迎える今回は、秋田市内にある倉庫から2トントラックに積み込めるだけの資料を搬出し、秋田市文化創造館のスタジオに広げ、約3週間かけて分類整理を行っています。分類整理の手順は極めて単純。
- 類似する分野のものを集める
- それらが何か(名称や用途など)を調べる、または油谷さんから聞き取ってカードに記入する
- 1点ずつ記録撮影する
- 箱に梱包する
- 倉庫に収納する

400平方メートル ほどのスタジオいっぱいに民具などが広がった
残り1週間の作業期間で、記録撮影を終え、梱包を進めていきます。分類整理作業の様子は、火曜を除く10時~18時に一般公開中。当日飛び入りでボランティアとしてご参加もいただけます。
秋田市中心市街地で展開する民具ラボ
秋田市文化創造館における分類整理活動と並行し、秋田駅ビル アルス地下1階で開催中の「あきた まちのえき 夏」では「民具ラボ出張所」を、明徳館ビル1階の旧福祉相談センター等では「民具ラボ展」を開催中。いずれも8月24日(日)まで公開しています。
民具ラボ出張所
会期:2025年7月19日(土)~8月24日(日)10:00~18:00
※火曜定休/8月5日は開場
前半:7月19日(土)~8月6日(水)[17日間]
後半:8月9日(土)~24日(日)[14日間]
(8月7日、8日も開場し、一部エリアで展示設営等を公開で行います。一般来場者の入場可能)
会場:秋田駅ビル アルス地下1階(秋田市中通7-2-1)
民具ラボ展
会期:2025年8月7日(木)~8月24日(日)11:00~17:00
※8月10日(日)~8月17日(日)は休館
※最終日となる8月24日(日)は15:00まで
会場:旧福祉相談センター等(秋田市中通2丁目1-51 明徳館ビル1階)

「民具ラボ展」では、民具ラボの活動を紹介する展示を開催中
民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ)
民具とアートとアーカイブについて研究者や表現者、ボランティアなどと研究に取組むネットワーク型のプロジェクト。●主催:NPO法人アーツセンターあきた
●立上げメンバー:服部浩之(キュレーター/東京藝術大学 准教授、国際芸術センター青森 館長)、藤浩志(美術家/秋田公立美術大学 教授)、國政サトシ(現代美術家/名古屋芸術大学 講師)、高橋卓久真(アーティスト、研究者/秋田公立美術大学 助教)、NPO法人アーツセンターあきた(三富章恵、岩根裕子)
●助成:公益財団法人 野村財団