世界的な水とエネルギー課題に挑む研究者が開発「水に溶けた不要なイオンを取り除く浄水結晶」「極めて小さな力で浄水できる革新的逆浸透(RO)膜」「水と太陽光からグリーン水素を作る光触媒」の3つの技術が集結

国立大学法人信州大学(学長:中村宗一郎)は、2025年8月14日(木)から19日(火)まで、EXPO 2025 大阪・関西万博(EXPOメッセ「WASSE」)にて開催される文部科学省主催イベント「わたしとみらい、つながるサイエンス展 ~あなたは、みらいをつくれる人~」内で、水・水素を基軸にした水の惑星地球の再生「アクア・リジェネレーション」をテーマにした体験型ブースを出展します 。
本展示では、世界的な社会課題である水課題やカーボンニュートラルに貢献する、1.「水に溶けた不要なイオンを取り除く浄水結晶」2.「極めて小さな力で浄水できる革新的逆浸透(RO)膜」3.「水と太陽光からグリーン水素を作る光触媒」という3つの最先端研究を、子どもから大人まで体験しながら学べる形で公開します。“みずから、はじめる。From Water, From Myself.”を合言葉に、先端の科学を利用することで地球課題解決が近づく可能性を体感し、未来のためのアクションを開始する機会を提供することが目的です 。
■背景:深刻化する地球規模の水・エネルギー課題と信州大学の挑戦
国連の報告によれば世界では数十億人が安全な水を利用できない状況にあり、水は地球規模の喫緊の課題です。また、2050年のカーボンニュートラル実現も人類共通の目標となっています。信州大学は、豊かな自然環境に恵まれた長野県に立地する大学として、長年「環境」を重要な研究テーマに掲げてきました。これらの地球規模の課題解決に、科学技術の力で貢献することを使命と考えています。
■展示内容の3つの特徴

ミルフィーユに似た構造を持つ三チタン酸ナトリウム層状結晶の層間に鉛イオンが吸着されるイメージCG。
信大クリスタル:フラックス法で生み出す結晶で水を浄化 手嶋・萩尾・林・山田研究室が世界を先導する信大クリスタルの展示では、重金属を吸着する高機能結晶材料を紹介。来場者は巨大結晶パネルやインタラクティブ映像で、浄水技術のメカニズムを体感できます。

カーボンナノチューブを混ぜ込み長く使えて高い透水性を実現した逆浸透膜。
信大RO膜:小さな力で簡単に使える浄水技術 遠藤研究室が開発した「極超低圧RO膜」を体験できるコーナーでは、市販低圧RO膜との浄水能力比較を通じて、圧倒的に小さい力で浄水できる技術の優位性を実感できます。

可視光応答光触媒シートの表面で水が分解され水素と酸素が発生する様子。
人工光合成システム:水と太陽光から水素を生み出す 堂免・久富研究室の人工光合成展示では、光触媒を用いて水を光エネルギーで直接分解するグリーン水素製造技術を紹介。来場者は光触媒にあたる光をシャッターの開閉で調整し、水素が生成される瞬間を観察できます。
■今後の展望
信州大学では、今回展示する技術の早期の社会実装による「アクア・リジェネレーション」の実現を目指し、国内外の企業や国・地域自治体等との連携をさらに強化してまいります。本万博出展を機に、新たな共同研究や事業化のパートナーシップを積極的に模索し、研究成果を一日も早く社会に還元していく所存です。
■関連企画
8月15日(金)12:30~13:30 ラムダ技術部(信大卒YouTuber)によるステージイベントを実施。
■開催概要
●イベント名: 大阪・関西万博 文部科学省主催イベント「わたしとみらい、つながるサイエンス展 ~あなたは、みらいをつくれる人~」内 信州大学ブース
●出展テーマ: 「水の惑星地球を守れ!アクア・リジェネレーション科学者たちの挑戦」
●期間: 2025年8月14日(木)~8月19日(火)
●会場: 大阪・関西万博会場 EXPO メッセ「WASSE」
●関連URL:
○文部科学省HP:https://www.mext.go.jp/a_menu/expo_watashitomirai/index.html
○信州大学HP:https://www.shinshu-u.ac.jp/