ロイヤル・アッシャーの中核を担う3人が久々に一堂に会したのはここ、オランダ本社を訪れた国賓の写真がズラリと並ぶ応接室。同社のダイヤモンドが生んだ歴史的な瞬間が垣間見られる。左から、1980年より社長を務めるエドワード、次男で副社長のマイク、NY支社で社長を務める長女のリタ。 花嫁の洗練された美しさを引き出す「ロイヤル・アッシャー・カット」は約2年の研究期間を経て、2000年に誕生。74面が放つシャープで強い輝きが魅力である。1902年に開発され、スクエアカットの定番となった「アッシャー・カット」の進化系。 卓越したカットと研磨の技術、独特の発想から生まれたユニークなシェイプのダイヤモンドの数々。どんなに複雑な細工があっても輝きへの妥協はない。リングをのせた木箱はかつて実際に使っていたダイヤモンドを磨くための道具。 夕陽に輝く風車はオランダのシンボル。 目抜き通りの東側に走る「DIAMANTSTRAAT」(ダイヤモンド通り)にはかつてダイヤモンドの工房などが軒を連ねた。 “世界一のカッター”と呼ばれたジョセフ・アッシャー。1908年、英国のエドワードVII世からの指名で世界最大、3,106ctのダイヤモンド原石「カリナン」のカットに成功。 1907年に建設されたロイヤル・アッシャー本社ビルは今も健在。右の棟ではかつて500人以上もの職人が昼夜作業していた。廃墟になっていたがごく最近建て替え工事が始まった。 優れたダイヤモンド職人だった創業者のアイザック・ジョセフ・アッシャー。 圧倒的なパワーを持つダイヤモンドの原石と完成品である華やかなエンゲージリング。リングが子どもや孫なら、原石が親のような存在。「最高のジュエリーを仕上げるには最高の原石を見極めることが大事」というのがエドワード・アッシャーの持論。 ダイヤモンドの聖地と呼ばれるアムステルダムはまた花の街でもある。特にチューリップの美しさは格別。 本社2Fの応接室にて“ゴールデンブック”に目を通す3人。回りには同社の歴史的偉業と栄華を示す資料が並ぶ。 来賓者名簿“ゴールデンブック”には、オランダ公式訪問の際に同社を訪れた王室、皇室、各国首脳などのサインが。 応接室には若き日の今上天皇が訪れた時の写真も飾られている。 本社のアトリエには昔ながらの道具と最新機器が共存している。研磨のための機械で、繊細な作業に従事する職人の目は常に真剣だ。 研磨にまつわる道具。 運河の街、アムステルダムの優雅な風景。400年以上も前から“ダイヤモンドの聖地”としてもてはやされた。 約700万本の花が咲き乱れる、アムステルダム近郊のキューケンホフ公園にて。 記事を読む