女は強し! 一度は閉店した両親の店を娘が再オープン

 強く高貴な、歴代のハワイの女王たちの存在したマウイ島だからか、女性は強し、と思うことはよくある。一度失った両親の店を買い戻し、再びオープンさせたティアレもそういう女性のひとりだ。

1930~1950年代はハパ・ハオレ・スタイルやハリウッド・スタイルが大きな影響をファッションに与えた時期。この写真はその後の1960年代、ハワイのファッションが様々な影響を乗り越え、落ち着き、独自の良さを持ちはじめたころだ。この時期のハワイはファッション、音楽、詩などアートの世界が広がり、いまでもそのクラシカルな美しさが愛されている。ローレンス夫妻はその一端を担っていた

 1970年代、オーナーのジョン・ローレンスは、妻のシャロンのデザインする布を使ったアロハシャツ、水着、ドレスなどを売る店「Otaheite」を、マウイ島ラハイナ、オアフ島の旧アラモアナSCに持ち、人気を博していたが、あまりの人気のためにオーナーになりたいという人が名乗りでて、お店を買い取っていった。しかし、お店はうまくいかず、閉店になってしまう。

Otaheite定番スタイルのヒナテア・ドレス。ウナヒ・デザインのプリントで大人気だ。ウナヒとは魚の鱗のこと。まるでマーメードのようなロングドレスは、上質なコットンで、胸をおおうドレープに加え、バストの上とウエストの部分にゴムが入っているのみなので着心地は抜群

 ところが、ローレンス夫妻の娘ティアレが、なんと店とブランドを買い戻し、今年、再び「Otaheite」をオープンさせたのだ。ティアレは、マウイ島で生まれ育ち、海とフラ、タヒチアンダンスが大好きな地元っ子。海やハワイの文化から得たアイディアを布地のデザインに生かし、自然な素材のトップスやボトム、ドレス、パレオなどを作っている。貝殻の模様や魚の鱗をモダンなグラフィカルデザインにしてプリントした生地を主流にするあたり、生地のデザインから洋服を作っていた両親の才能を引き継いでいるようだ。

 店は今、注目を浴びているマウイ島ワイレア・ゲイトウェイ・センターの1階にある。ハワイ・リージョナル・キュイジーヌのシェフとして有名なピーター・メリマン氏の、オーガニック素材で作る地産地消のエコフレンドリーレストラン「モンキーポッド」、健康的な地中海料理が気軽に食べられる「ピタ・パラダイス」、本格的なチーズショップとワインショップのある「Stuey's Wine Bar」などが並ぶ、入り口の付近だ。

Otaheite Hawaii
住所 10 Wailea Gateway Suite B104, Wailea, HI 96753
電話番号 +1-808-419-6179
営業時間 月曜~土曜:10:00~21:00 日曜:10:00~18:00
URL www.otaheitehawaii.com

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2012.11.02(金)