広島で松江泰治の世界を俯瞰

 世界各地へ赴いて、土地の様相そのものを精緻な写真に収めてきたのが松江泰治の作品。

 山間部でも森林でも、高層ビルの建ち並ぶ都市も家屋が密になった住宅地も、順光の俯瞰で地平線を含めないというルールのもと撮影されるので、徹底して平面的で、あらゆる要素が等価に見える画面が生まれてくる。

 作家活動を始めた1980年代の作品から最新作まで、一貫してブレない松江の仕事を俯瞰して観られる機会だ。

『松江泰治 地名事典│gazetteer』

会場 広島市現代美術館(広島県・広島市)
会期 開催中~2019年2月24日(日)
料金 一般 1,000円(税込)ほか
電話番号 082-264-1121
https://www.hiroshima-moca.jp/

山内宏泰(やまうち ひろやす)

ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「写真を読む夜」「文学ワイン会 本の音」などの催しも主宰。新刊に『文学とワイン』(青幻舎)。
https://twitter.com/reading_photo

Column

山内宏泰のこの1枚に会いたい!

美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。

 

2019.01.03(木)
文=山内宏泰

CREA 2019年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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居心地のいい部屋。

定価780円

好みや条件は人ぞれぞれでも、「このままずっとこもりたい……」と思えるような部屋だと、結構幸せな気がします。キーワードは「居心地のいい部屋」。お宅拝見からアイテム選びまで、新しい年を気持ちのいい部屋で迎えるヒントが詰まった1冊です。