手稿に描かれた美しき発明は無益な空想ではなく、科学に基づく最先端の実用機械だった。

 フィレンツェ近郊を巡りながら、今もなおダ・ヴィンチの遺産を守る人々を訪ねた。


君主を虜にした風車は
現役で小麦を挽き続ける

●Fattoria Lavacchio
(ファットリア・ラヴァッキオ)

風車は最近、暴風被害を受けて修復中だが見学は可能。

 18世紀、当時のトスカーナ公はダ・ヴィンチが設計した風車に惚れ込み、同型の風車をフィレンツェ郊外に次々と作らせた。

 その風車のひとつがアグリツーリズモ「ファットリア・ラヴァッキオ」の敷地内に遺っている。

左:風から得た力を歯車が拡大していく。
右:巨大な回転軸に動力が集約される。
ファットリア・ラヴァッキオでは巨匠が愛した乗馬も楽しみ。

 アグリツーリズモのオーナーであるロテッロ一家は市と協力し、伝説の風車を再建したという。

地下のワイン貯蔵室。

 案内してくれたスタッフは「専門家も招いて修復に取り組んだのですが、現在の技術では復元が困難な機能や解明できないシステムもあったそうです」と話す。

Text=Masami Uwabo
Photo=Yuji Ono
Coordination=Michiko Ohira

この記事の掲載号

イタリア

CREA Traveller 2019年夏号

ダ・ヴィンチの愛した
イタリア

定価1,350円 (税込)

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CREA Traveller 2019年夏号
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