2016年1月に公開された記事「エコノミーなのにビジネスクラスへ!? アップグレードされるための条件とは?」が好評につき、2018年12月の現状に即した内容にアップデートしてお届けします!


航空会社の本音は
アップグレードしたくない

アップグレードされる客は航空会社によってあらかじめ優先順位がほぼ決められている。

 エコノミークラスの航空券を買ったのに、ビジネスクラスにアップグレードされたというラッキーな話を耳にすることがあります。しかし、アップグレードされたのは本当に「ラッキー」なだけだったのでしょうか。

(1) まずはマイルや追加料金の客が優先

 まず確認しておきたいのは、航空会社はできるだけエコノミークラスのお客さんをビジネスクラスにアップグレードしたくないのが大原則ということ。

 しかし、有料のビジネスクラス航空券購入者で席が埋まらない場合などに、追加料金を支払ってアップグレードできることも。

 これらのお客さんは正規のビジネス旅客ほどではありませんが、航空会社に利益をもたらすので、最近特にこうしたアップグレードに積極的な航空会社が増えています。

 出発日が近づくと、航空会社からアップグレードしませんかというメールが来るので、自分でアップグレードに出せる金額を設定し、その金額が高い順に競り落とされる逆オークション形式が一般的です。

 こうしたアップグレードオファーは多くの航空会社で行われています。

アップグレードオファーを行っている
航空会社例

キャセイパシフィック航空(日本発着路線は対象外)・シンガポール航空・マレーシア航空・フィリピン航空・スリランカ航空・エミレーツ航空・カタール航空・エティハド航空・エチオピア航空・エールフランス航空・アリタリア-イタリア航空・ルフトハンザ ドイツ航空・オーストリア航空(日本発着路線は対象外)・スイス インターナショナル エアラインズ・LOTポーランド航空・カンタス航空・ニュージーランド航空など

 その会社のマイレージ会員のみを対象としていることが多いので、かりに他社にマイレージを加算するにしても、自分が搭乗する航空会社のマイレージ会員になっておくとよいでしょう。

ビジネスクラスに有料でアップグレードできることを伝えるANAのチェックインカウンターの看板。欧州、米国線で50,000円だ(成田国際空港)。

 そのほか、「オプションタウン」というサイトで事前に申し込むことによって、ベトナム航空、エアインディア、エジプト航空などでビジネスクラスへの有償アップグレードへの空席待ちを行うサービスがあります。

 こうした有償客のビジネスクラスへのアップグレードが確定してもなお、エコノミークラスがオーバーブッキングしている上に、ビジネスクラスに残席がある場合、航空会社はエコノミークラスの一部の客をビジネスクラスにアップグレードします。

 このように、航空会社の都合により無償でアップグレードされることを「インボランタリーアップグレード」(INVP)、略して「インボラアップグレード」、あるいは「オペレーショナルアップグレード」などと呼びます。

 ここでビジネスクラスへのアップグレードの優先順位をまとめてみました(航空会社によって設定の有無などの差があります)。

① マイレージを使って事前にアップグレードをすませた利用客
 (一定の金額以上の航空券でないとアップグレードできないことが多い)

② 有料のアップグレードオファーを受けた利用客

③ 搭乗当日、空港で有償ないしマイルを使ってのアップグレードオファーを受けた利用客(※)

④  インボランタリーアップグレードの利用客

(※)日本航空の当日アップグレードは日本~アメリカ線で片道25,000マイル、全日空はエコノミークラスが満席の場合にかぎり、日本~欧米線が片道50,000円

 かつては①→④という流れが多かったのですが、昨今は②③が普及したせいで、かつてほど無償のアップグレードの恩恵にあずかるチャンスはなくなってしまいました。

 それでもまだチャンスはあります。そこで、無償でアップグレードの可能性を高めるためにはどうすればよいのか検証してみましょう。

2018.12.27(木)
文=橋賀秀紀