#172 Brisbane
ブリスベン(オーストラリア)
シドニー、メルボルンに続くオーストラリア第3の都市、ブリスベン。
そう聞くと、高層ビルが林立する大都市を思い浮かべがちですが、CBD(ブリスベン中央業務地区)を少し外れれば、クイーンズランダー様式の木造の家屋が連なり、そこには地元の暮らしを感じます。
アボリジニの言葉では“棘のような形をした土地”。その名のとおり、ブリスベンには丘が多く、街の背後にはヒンターランドの山並みが控えます。
そして何よりもこの街を印象付けているのは、くねくねと蛇行しながら市街を縦断しているブリスベン川の存在です。
ブリスベン川は暮らしに潤いを与える存在のようです。
CBDを対岸に望む、川に突き出た断崖のカンガルーポイントはランニングや自転車、キックボードなどを楽しむ、ヘルシー志向のブリスベンっ子の人気スポット。
鳥たちのさえずりが夜明けを伝える早朝6時にもかかわらず、かなりの人数が集まっています。
川沿いの公園では遊歩道と自転車道がきちんと分けて整備され、利用する人々はルールを守りながら気持ちよく汗を流しています。
カンガルーポイントの散策のついでに立ち寄りたいのが、朝7時からオープンしている川沿いのカフェ「メドレー・カフェ&レストラン」。
テラス席で川面を眺めていると、地元の足である無料の小型フェリー、シティホッパーが通り過ぎていきます。街が一日の動きをスタートしたのを感じます。
ちなみに、カンガルーポイントの名前の由来は、昔アボリジニの人々がカンガルーを追い詰め、崖から落とす狩りを行っていたという説と、岩肌がカンガルー色だからという説があるそうです。
2019.05.18(土)
文・撮影=古関千恵子