野菜を食べれば「これが本当の野菜の味か」と唸らされ、貝の中に海がまるごと入っているかのようにカキの味は濃厚だ。美味は食材だけには限らない。シェフの味を求めて客は世界中から集う。カナダのプリンス・エドワード島が美味しいものに満ちている理由を探りに出かけた。


一つの大きなテーブルを囲む
それこそが“島スタイル”

◆The Table Culinary Studio
 (ザ・テーブル・カリナリー・スタジオ)

ジョージさんがニューロンドン湾で水揚げするカキは、フルーティな香りが特徴。舌に乗せるとほのかな甘みを感じる。

 シャーロットタウンから北西へ車で40分ほど、ニューロンドンという町に位置するユニークなレストランだ。1953年に建てられた教会を改築、昼間は主に料理教室を開き、夜は予約制のダイニングとして営業している。

 料理の提供の仕方も個性的で、カキやロブスターを溢れんばかりに大皿へ盛る山盛りスタイル。テーブルは一つで、初対面であってもゲストは同じテーブルを囲む。オーナーのデリック氏にこのスタイルを採る理由を尋ねた。

生ガキに続いて今度はソテー。

「17年前にトロントからこの島に移り住んだときに、島の人が山盛りの皿をみんなで分かち合うスタイルで、よそ者だった自分を歓迎してくれたんです」

一つの長テーブルをゲスト全員で囲むのがコンセプト。
地元の教会だった建物を改築して利用。

 そして3年前にこの料理スタジオを買い取り、自身が感銘を受けた“島スタイル”を実践する。

「ここで初めて会った人が、帰るころにはすっかり友だちになっている。素晴らしいと思いませんか」

カキを納入するキャリア40年のベテラン漁師、ジョージさん。確かに彼のカキは絶品だった!

 地産地消がポリシーで、カキはニューロンドン湾で40年以上も漁を行うジョージさんから仕入れる。「友人の家のように感じていただくのが理想」というデリック氏の言葉通り、リラックスできる空間だ。

デザートのブルーベリーとレモンのレイヤーケーキもホールごと!
天気が良ければ、屋外で楽しむ前菜も。

The Table Culinary Studio
(ザ・テーブル・カリナリー・スタジオ)

所在地 4295 Grahams Road, New London, Prince Edward Island
電話番号 647-920-1542
営業時間 18:30~
定休日 不定休
※完全予約制。2名から受け付ける。大人 65~70カナダドル
http://www.thetablepei.ca/

※通貨レートは1カナダドル≒85円(取材時)

Feature

カナダの誇る美食の聖地
プリンス・エドワード島へ

Text=Takeshi Sato
Photo=Atsushi Hashimoto
Coordination=Yasuyo Hibino(fish*co.)
Cooperation=Destination Canada, Tourism Prince Edward Island

この記事の掲載号

幸せのカナダ

CREA Traveller 2018年秋号


幸せのカナダ

定価1,110円 (税込)

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CREA Traveller 2018年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在は異なる場合があります。