俳優として、戦隊ヒーローものや2.5次元ミュージカルなどで得たキャリアや実績を武器に、新たな試みに挑んでいる池田純矢。前回に引き続き、今回は、現在25歳にして、その多彩な活動が注目される彼が、自らの軌跡を振り返る。

14歳の自分を変えた、準グランプリ

――幼稚園の頃の夢は、「『五星戦隊ダイレンジャー』のキバレンジャーになりたい」だったそうですね。

 これは、よくある夢だったと思います。ただ、親の影響からか、戦隊ヒーローものを観る感覚で、時代劇や黒澤(明)映画をよく観ていたこともあって、勝新太郎さんか三船敏郎さんになりたいとも思っていました。勝新さんは「座頭市」で知ったんですが、殺陣はもちろん、その圧倒的なヴィジュアルから好きでしたね。

――2006年、「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に出場し、準グランプリを受賞しました。

 他薦で出場したので、準グランプリを獲るまでのあいだに自分の中で「役者になろう」とか「TVに出る人間になりたい」とかリアルに考えたことはありませんでした。でも、獲ったあと、どこかでグランプリじゃなく、準グランプリだったことにわだかまりがあったんです。自分に対して、悔しかったんです。まだ14歳だったんですが、それを機に何かが変わりました。

2018.05.04(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖