田中稲の勝手に再ブーム

田中稲の勝手に再ブーム

「CRISIS」のダークな世界観が
「ザ・ハングマン」愛を呼び起こす

煽りに煽る森山周一郎の
OPナレーションに悶える!

「ザ・ハングマン6」からモルモット小父さんを演じた稲川淳二。モルモット小父さんは、悪者への制裁方法の実験台になるという過酷な役目を負う。

 私のハングマン・メモリーは初期に偏っている。いわゆるダーク路線で、悪への制裁が超ハードな頃だ。ポロリどころではないセクシーシーンも多かったし、大都会のど真ん中にパンツ一丁で転がすといった恐るべき処刑法なんぞザラであった。

 そんな過激なハングマン・ワールドに、当時小学生のチビッ子だった私がハマッたのはなぜか? きっかけはYOU! 森山周一郎のナレーションである!

 ジリジリと腹に響く激シブな声で煽りに煽るオープニングにさらわれ、気がつきゃハングマン自体が好きになっていた。

左から、映画の全セリフ全シーンを掲載した『シネマ・コミック7 紅の豚』、万城目学、佐藤多佳子、村上龍らがこの作品の魅力を読み解く『ジブリの教科書7 紅の豚』(ともに文春ジブリ文庫)。

 その12年後、映画「紅の豚」のポルコ・ロッソが同じ森山ボイスと知った時は、嬉しくて嬉しくて、彼が私のために豚になってくれたと思ったくらいだ。とんだ彼女気取りである。

 森山周一郎のハングマン、そして芥川隆行の「不良少女と呼ばれて」、来宮良子の「ヤヌスの鏡」という三大ナレ―ションは、今でも脳内再生が余裕で可能ッ。涙腺を刺激するパンチすら健在だ!

 最近は、彼らのようなドラマの基本設定を国家機密レベルで語ってくれる大風呂敷ナレーションが減ってしまったが、近々新たなレジェンドが登場すると信じている。

「ザ・ハングマン6」「ハングマンGOGO」ナレーションの小林克也。超早口で当時の国勢調査の結果をまくしたてるという荒業を見事こなした。

<次のページ> 「ハングマンGOGO」というもう一つの伝説

2017.09.26(火)

文=田中 稲
写真=文藝春秋

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