マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

 海外でのお土産探し、皆さんはどこに買いに行きますか。お土産店も便利ですが、ぜひチェックして欲しいのは、現地のスーパーマーケット。その国ならではのアイテムが多彩にそろっていて、現地のトレンドの味にも出会えます。今回は、マレーシアのスーパーで買えるおすすめのお土産を紹介します!

世界で認められたマレーシアの紅茶ブランド「ボーティー」

「ボーティー」。伝統生地「ソンケット」をモチーフにしたパッケージもかわいいフレーバーティーシリーズ。

 マレーシアは、イギリス統治時代の名残で紅茶の生産がさかん。マレー半島の中央に位置する海抜1800メートルの高原地帯「キャメロン・ハイランド」には、まばゆいほどの緑の茶畑が広がっています。

亜熱帯地域の高地に位置する「キャメロン・ハイランド」。朝晩の寒暖差が大きく、霧が出ることも多い。この気候が紅茶づくりに適している。

 ここで茶葉を栽培しているのが、マレーシアを代表する紅茶ブランド「ボーティー/BOH Teaです。茶葉はアッサム種で、すっきりとした飲み心地。透き通った褐色系のオレンジ色で、渋みはほとんどなく、毎日飲んでも飽きのこない味です。

 少量の小分け茶葉パック、お手軽なティーバッグなど、多彩なラインナップ。なかでも、パッションフルーツ、ライチ、マンゴー味などの南国マレーシアらしいフレーバーティーがおすすめです。

スーパーに並ぶボーティー商品。マレーシアのほか、デンマーク、ドイツ、台湾、日本等にも販売代理店がある。

 また、マレーシアで紅茶といえば、以前紹介した「テタレ/Teh Tarik」。濃いめに淹れた紅茶に、練乳を加えた甘~いミルクティーで、朝に晩にと、日に何度も飲む人がいる国民的ドリンク。これもボーティーが商品化しています。

スティック状のパウダータイプで、お湯で溶いてできあがり。種類がいくつかあり、オリジナル、甘さひかえめ、生姜入り、珈琲をミックスした「チャム」など。

 最近注目を集めているのが「チャム/Cham」です。チャムとは、現地語で“混ぜ混ぜ”という「チャンプルー/Champor」からきた言葉で、「テタレ」と「ホワイトコーヒー」をミックス。紅茶と思って飲めば紅茶だし、珈琲と思って飲めば珈琲という摩訶不思議な味。紅茶と珈琲というふたつの味が1杯で楽しめて、お得な気もします。なんでも混ぜて食べるのが好きなマレーシアらしい味です。

2016.09.13(火)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子