漢方の香りでマレーシア気分を甦らせよう

 これも完成品からどうぞ。お肉とにんにくでパワーアップ間違いなしのバクテーです。

「バクテー」の調理後。さっきのカレー麺は真っ赤だったが、こちらは真っ黒。この黒は「熟地黄」という漢方の色で、味は見た目ほど濃くない。漢方の香りぷんぷんのスープは、豚肉の甘みが効いている。

 日本でもじわじわ人気になっている、マレーシアのスタミナ漢方スープ「バクテー/Bah Kut Teh」。10種ほどの漢方を使うのですが、それらが1つのセットになった漢方パックがスーパーで売られています。これさえあれば、自宅で簡単に「バクテー」が作れます。

メーカーは多種。どのメーカーのものでもおいしく仕上がるが、パウダー状の漢方パックのほうが、そのままの漢方が入ったタイプよりも香りが強い気がする。

 作り方はこんな感じ。

■作り方
(1) 鍋に分量の水を入れ、漢方パックとにんにくを30分ほどぐつぐつ火にかけて、漢方を煮出す。
(2) 豚肉と厚揚げを入れて、弱火でじっくり1時間ほど煮込む。
(3) 最後に味付け。漢方パックに調味料は入っていないので、自分で味を調える。基本は、オイスターソースと醤油。甘みを足したければ砂糖、味に深みを出したいなら塩を加えて。中国醤油を入れるとスープの色が黒くなり、よりマレーシアらしい味になる。

 今回紹介したのは、どれもマレーシアの定番のお土産です。軽くて、お手頃な価格で、マレーシア人にとっても大事な味。これらの商品を味わいながら、マレーシアの思い出話にぜひ花を咲かせてください。

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://www.malaysiafoodnet.com/

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2016.09.13(火)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子