さすがの絶妙チャイニーズテイスト

19世紀末の建築を残しつつ店舗に改装した「タンタンタンタン」。手描きペインティングのミラーの壁の雰囲気抜群。

 「ジ・アッパーハウス」を挟んで、セントラルとは反対側のワンチャイ(湾仔)。ここで注目なのがお洒落ブランド、シャンハイタンの創業者がつくったライフスタイル雑貨のお店、「タンタンタンタン」だ。

 こちら19世紀末の建物。唐楼といわれる低層建築で、現在の建物よりも天井が高く、アーチがあったりして人気の建築だとか。で、ここは元質屋さん。10年近くかけてリノベートした店内は、元の建築を生かしつつ明るくモダンに生まれ変わっている。

左:トラムの行き交うこの通りは、トラムの撮影ポイントだそう。奥のオレンジの建物が「タンタンタンタン」。
右:「大押」が質屋さんの意味。

 感心するのは、モダンに仕上げたチャイニーズテイスト。ここに限らず、ほんとうにこのさじ加減が、香港人はうまい。シンプルなデザインにほんの少しだけ中華風味がプラスされている。そして、機能的。合理的な気質がそんなデザインを生むのかな? と思いつつ、店内を物色するのは楽しい。

 店内はざっくり、クローゼット、寝室、バスルーム、ダイニングといった雰囲気に分けられていて、さまざまな小物や家電が並んでいるのでものが探しやすい。

なかなかリアルなフォーチュンクッキー形のソルト&ペッパー容器。

 旅行に持っていける軽量でコンパクトなものも多いし、ちょっとしたお土産やプレゼントにできる小物も揃う。北京ダック形のシルバーの箸置きなど楽しいものも。シルクのパジャマやベッドリネンも揃っているので、大人買いで買い占めたいものばかりだ。

左:このトースターがとっても可愛いデザインで、黄色&グレーがこの店のテーマカラーだ。
右:繊細なキャンディボックスも魅力的。

 気になるお値段は、意外に高くない。もちろん街の雑貨屋さんに比べたら倍の値段だが、デザインとクオリティを考えたらけっこうリーズナブル。シャンハイタンよりぐっと安いとイメージしておくとお財布も安心かと。

Tang Tang Tang Tang(タンタンタンタン)
所在地 66 Johnston Road, Wan Chai
https://www.tangtangtangtang.com/

【Column 03】妖しくエロカッコイイ世界へ

19世紀の高級アヘン窟を彷彿させる“ヤバい”雰囲気。

 「タンタンタンタン」の上階にあるレストランバー「ザ・ポーン」も有名だが、最新ホットなのが同じくワンチャイにあるカクテルバー「オフィーリア」。新スポットのジ・アヴェニューにオープンして間もない人気店だ。

 濃密で妖しくエロカッコイイ世界は、ちょっとヤバイ香りすらしてくるような……。21時からはじまるパフォーマンスは、延々と繰り広げられ、ついつい帰れず籠の鳥になるというお店だ。

内装や家具のファブリックはすべてヨーロッパから輸入した特注品だ。壁のタイルも手描きと凝りまくっている。
孔雀づくしのインテリアはこってり感満載。

Ophelia(オフィーリア)
所在地 Shop No.39A-41A, 1/F, The Avenue, 200 Queen's Road E, Lee Tung St, Wan Chai
http://www.ophelia.com.hk/

2016.09.14(水)
文・撮影=大沢さつき