【次に流行るもう一曲】
Goodby Holiday「奇跡の星/弱虫けむし」

ポルノグラフィティやflumpoolを彷彿とさせる

伊藤 2曲目はGoodbye Holidayの3rdシングルから「奇跡の星」。これはテレビ東京系TVドラマ「ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~」の主題歌なんだけど、彼らはデビュー作からことごとくビッグタイアップを引っ提げてシングルをリリースしている。

山口 音楽性もリリースの仕方も王道ですね。嫌いじゃないなぁ、この感じ。

伊藤 事務所やレーベルパワーもあるだろうけど、彼らの音楽がしっかり歌モノであることが大きいように思う。しっかりとメジャーシーンで戦う姿勢というのが感じられる。音楽性と業界内での立ち位置というところで、どこかポルノグラフィティやflumpoolの系譜という感じ。

山口 Shout it Outとはちょっとタイプが違うけれど、いずれにしてもバンドって、「みんなのロマン」だと思うんですよ。ユーザーから夢を託されて大きくなっていくし、スタッフやメディア関係者や、メンバーたち自身の夢があることがバンドを輝かせるんです。そういう意味で、Goodbye Holidayも輝きを感じますよ。

伊藤 バンドだからって尖っていることだけが個性じゃない。彼らの曲はJポップとして精度は高いし、マスのデカい場所で勝負しているからこそスケール感のあるヒット曲を期待したいです。

Goodby Holiday「奇跡の星/弱虫けむし」
エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ 2016年7月6日発売
初回生産限定盤[CD+DVD+スマプラ]1,800円、通常盤[CD+スマプラ]1,000円(税抜)
■Goodbye holidayは、2008年に広島で結成された4人組バンド。2015年、寺岡呼人プロデュースの「革命アカツキ」でメジャーデビューを果たす。本作の収録曲「奇跡の星」はテレビ東京系ドラマ「ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~」の主題歌に、「弱虫けむし」はNHK「みんなのうた」の放送曲に起用されている。
■「奇跡の星」作詞・作曲/児玉一真 編曲/Goodbye Holiday
■オフィシャルサイトURL http://www.goodbyeholiday.net/

【動画サイト】
「奇跡の星」

URL https://www.youtube.com/watch?v=XEtJ0_KRKik

山口哲一 (やまぐち のりかず)
(株)バグ・コーポレーション代表取締役、コンテンツビジネス・エバンジェリスト、音楽プロデューサー。「デジタルコンテンツ白書」(経済産業省監修)編集委員。経済産業省「コンテンツ産業長期ビジョン検討委員会」委員。国際基督教大(ICU)高校卒。早稲田大学在学中から音楽のプロデュースに関わり、中退。1989年、バグ・コーポレーションを設立。音楽プロデューサーとしてSION、村上“ポンタ”秀一のマネージメントや、東京エスムジカ、ピストルバルブ、Sweet Vacationなどの個性的なアーティストをプロデュースする一方、音楽ビジネスとITに関する実践的な研究を行っている。プロデュースのテーマは、新しいテクノロジーの活用、グローバル展開、異業種コラボレーション。2011年頃から著作活動を始め、国内外の音楽ビジネス状況の知見を活かし、音楽(コンテンツ)とITに関する提言を続けている。エンタメ系スタートアップを対象としたアワード「START ME UP AWARDS」をオーガナイズし、プロ作曲家育成「山口ゼミ」や「ニューミドルマン養成講座」を主宰するなど、次世代の育成にも精力的に取り組む、異業種横断型のプロデューサー。近著に『新時代ミュージックビジネス最終講義』(リットーミュージック)、『10人に小さな発見を与えれば、1000万人が動き出す。』(ローソンHMV)、『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック・伊藤涼との共著)、『とびきり愛される女性になる。 恋愛ソングから学ぶ魔法のフレーズ』(ローソンHMV・伊藤涼との共著/「ラブソングラボ」名義)、『DAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていること』(リットーミュージック)、『世界を変える80年代生まれの起業家 起業という選択』(スペースシャワーブックス)、『プロ直伝! 職業作曲家への道』(リットーミュージック)などがある。
Twitter https://twitter.com/yamabug
BLOG http://yamabug.blogspot.jp/
詳細プロフィール http://yamabug.blogspot.jp/2010/05/profile.html

伊藤涼 (いとう りょう)
音楽プロデューサー、ソングライター。「青春アミーゴ」などのミリオンセラーをプロデュース、後にフリーランスに。ソングライターとして、乃木坂46「走れ!Bicycle」、AKB48「ここにいたこと」などの作品がある。作詞アナリスト、フードミュージックプロデューサーとしても活躍。論理的で明晰な分析力に注目。著書に『作詞力 ウケル・イケテル・カシカケル』(リットーミュージック)、山口哲一との共著に『最先端の作曲法 コーライティングの教科書』(リットーミュージック)がある。
マゴノダイマデ・プロダクション http://www.mago-dai.com/
ブログ「伊藤涼の音楽」 http://ameblo.jp/magodai/
伊藤涼が主宰する作詞研究室リリック・ラボ 
https://www.facebook.com/lyric.laboratory/?ref=ts&fref=ts

Column

来月、流行るJポップ チャート不毛時代のヒット曲羅針盤

音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

2016.06.29(水)
文=山口哲一、伊藤涼