『アベンジャーズ』の人工知能を思い出す

伊藤 今までに団塊、新人類、バブルなど色々な世代名があり、最近だとゆとりゆとりと随分と話題に上がったけど、当のゆとり本人たちも聞き飽きてしまった。4月クールの日曜の夜、「ゆとりですがなにか」っていうドラマをやっていたけど、あぁ“ゆとり”も終わったんだなぁって感じた。最近は10代のクリエイターとコーライティングするときもあるし、真鶴のクリエイターズキャンプ(外部サイト)でも20歳前後のクリエイターたちと飲む機会があって、話していると明らかに彼らは今までとは違う感覚を持っている。いったい彼らは何世代なんだろうと思ったときに“Ultron(ウルトロン)”って勝手に名付けたんですよ。“Ultron”ってもともとは映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に出てくる、神コンプレックスを持ち、創造者に反逆して地球の支配を企む人工知能なんですけど、サウンド的にも字ヅラ的にもこんな感じかなって(笑)。Shout it Outも間違いなくUltronなんだけど、そんな彼らが作り出すクリエイティブにハマってます。

山口 「ゆとり世代」って差別的な言い方です。文科省の政策と日教組の方針は、日本にとって、めちゃめちゃマイナスだったとの憤りはあるのですが、本コラムの趣旨とはずれるので、ここでは割愛します(笑)。いずれにしても、物心ついた時から、インターネットが当たり前に存在していて、小学生からスマホを持っていたら、新しいセンスを持っていて当然という気がします。Ultron世代に期待しましょう。今回の妄想分析を聞かせてください。

伊藤 青空を押し上げる入道雲、蝉のシャウト、いつもより夏の太陽が鬱陶しい。

 なんであいつが死んでしまったのか僕は知らない、人生初の葬式。

 まだ振り返るほども歩いていない。遠すぎるディスティネーション。オレたちは、ただ青い季節にフワフワ浮いていただけじゃないか。あいつは何を終わらせたくなかったんだろうか?? あいつは何を終わらせたかったんだろうか???

 消えてしまった何か、もう動かない唇、知らないままの親友。

山口 散文詩。

Shout it Out「青春のすべて」
ポニーキャニオン 2016年7月6日発売
初回限定盤[CD+DVD]1,389円、通常盤[CD]1,111円(税抜)
■Shout it Outは、堺市を拠点として活動を続ける4人組ロックバンド。高校入学直後の2012年4月に軽音楽部でそのうちの3人が出会ったことを機に結成された。2016年にはTVドラマ「ニーチェ先生」の主題歌「ハナウタ」を含むEP「僕たちが歌う明日のこと」をリリース。それに続く本作がメジャーデビュー盤となる。
■「青春のすべて」作詞・作曲/山内彰馬
■オフィシャルサイトURL http://shoutitout.jp/

【動画サイト】
「青春のすべて」

URL https://www.youtube.com/watch?v=f6WsVKFcyd0

2016.06.29(水)
文=山口哲一、伊藤涼