音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
flumpool「夜は眠れるかい?」

大ヒットコミック『亜人』が映画&TVシリーズ化

伊藤 今回はflumpoolの「夜は眠れるかい?」です。大ヒットコミック『亜人』の映画とTVシリーズの主題歌らしいのですが、山口さんは『亜人』って知ってました?

山口 ちょっとしか読んでないですけれど、知っていますよ。人気らしいですね?

伊藤 はい。決して死なない新種の人類〈亜人〉と、それを追う日本国政府の戦いを緻密な心理描写で描くアクション。現在コミック累計発行部数が400万部を突破し、「進撃の巨人」の次は「亜人」と言われているらしいです。

山口 それはすごいですね。

伊藤 はい、資料をコピペしただけなんですけど、すごいらしいんです。僕は基本的にコミック・アニメには疎くて、アニメといえば宮崎駿監督作品くらいしか目を通すことがないし、マンガも作詞をするときに資料として読むことがあるくらいなので、昨今のアニメブームにはすっかり乗り遅れていますね。

山口 僕もコミック、アニメについては疎い方です。幸い、サブカル通の友人がいるので、僕の欠落しそうなポイントは助言してもらえています。なので、『涼宮ハルヒ』や『魔法少女まどか☆マギカ』などを、キャッチアップできています。あの面白さを理解できるセンスが自分にあることを確認できると、ほっとしますね。コンテンツプロデューサーとしての現役感を持つには必要だと思っています。

伊藤 アニソンに関しても、作曲家として最低限知っておくべき基本知識くらいはあると思っていますが、全くって言っていいほど自分のテリトリー感がない。最近、CWF(コーライティングファーム/山口が塾長、伊藤が副塾長を務める「山口ゼミ」修了生による、作曲家チーム〈外部サイト〉)のメンバーが、いわゆるアニソンで採用になるたびに勉強させてもらっている感じです。

山口 最近、CWFメンバーのアニソン採用はかなり増えてきましたね。

伊藤 いいことです(笑)。

2016.01.30(土)
文=山口哲一、伊藤涼