認定NPO法人 日本チョウ類保全協会は、「第21回チョウ類の保全を考える集い」を 2025年2月8日(土)に開催します。
チョウをバロメーターに自然環境を守る活動を行っている認定NPO法人 日本チョウ類保全協会(事務局:東京都品川区大井4-1-5-201 代表理事:松村行栄)は、「第21回チョウ類の保全を考える集い」を2025年2月8日(土)に開催します。ネオニコチノイド系農薬による昆虫類への影響、昆虫類の現状や保全に関する3つの事例、チョウ類のモニタリング調査、最後に当協会が取り組む保全活動についてご紹介します。
【開催の背景】
チョウを始めとした昆虫は近年、世界的に減少しています。日本に生息するチョウ約240種のうち、環境省のレッドリスト(絶滅の恐れのある種のリスト)には30%もの種がリストアップされています。そして、その中には、今まさに絶滅の一歩手前にまで減少してしまっているチョウも少なくありません。このイベントでは、より多くの方に昆虫がおかれている現状や保全の取り組みについて知っていただき、昆虫や身近な自然環境、その保全に関心をもっていただくことを目的にしています。
【イベントの詳細】
【プログラム・内容】
12:30~ Zoomウェビナーのシステムへ入室可能
13:10~14:10 ネオニコチノイド系農薬による昆虫類への影響
苅部治紀氏(神奈川県立生命の星・地球博物館)
ネオニコチノイド系農薬は、1990年代から日本でも使用されるようになり、現在では水田・畑地・果樹園ばかりでなく、家庭の害虫駆除でも使われています。水田でアキアカネが消えたことは知られていますが、この農薬が昆虫類に与える影響は農地にとどまらず、多くの環境で深刻になっています。この問題について先進的な調査を進めてこられた苅部治紀氏から、深刻な現状と、今後考えるべき方向性についてご紹介をいただきます。
14:10~15:20 昆虫類の現状と保全の取り組み
・「気候変動に伴うギンボシヒョウモンの生息状況の変化」
渡邊通人氏(富士山生物多様性研究室・甲州昆虫同好会)
富士山周辺ではギンボシヒョウモンの生息地が標高の高い場所に移動していることをご紹介いただきます。気候変動が自然界に与える影響の事例として、北方系のチョウの分布の変化が明らかにされた事例です。
・「長野県の農地景観で取り組むミヤマシジミの保全」
出戸秀典氏(ミヤマシジミ里の会事務局・飯島町地域おこし協力隊)
近年、急激に減少したミヤマシジミは、河川に生息することで知られていますが、かつては田畑の畦にも広く生息していました。伊那谷の農地に生息しているミヤマシジミの保全の取り組みを、ご紹介いただきます。
・「水生昆虫の保全と今後の展望」
橋口功大氏(東京大学)
ますます危機的になっているシャープゲンゴロウモドキやマルコガタノゲンゴロウをはじめとした水生昆虫の現状を、全国的な視点から整理したうえで、外来種対策の問題点や、今後の展望をご紹介いただきます。
15:20~15:30 休憩 10分
15:30~16:15 チョウ類のモニタリング調査
自然環境の現状や変化を知る取り組みとして、当協会ではトランセクト調査と庭のチョウ類調査を進めています。今回はお2人の方に、調査で明らかになったことなどをご紹介いただきます。そのうえで、トランセクト調査の3年分を解析した結果についてご紹介いただきます。
・「ビジターセンターで行っているチョウ類のトランセクト調査」
坂内美佳氏(網張ビジターセンター)
・「京都の緑地におけるチョウのモニタリング調査-8年間の結果-」
井村治氏(日本チョウ類保全協会会員)
・「モニタリング調査全体の結果と解析について」
小長谷達郎氏(奈良教育大学)・内海邑氏(日本大学)・徳嶋賀彰氏(奈良教育大学)
16:15~17:30 絶滅危惧のチョウ・昆虫類の活動報告
最後に、当協会で取り組んでいる保全活動について、事務局および協働で行っている方々からご報告します。
ヒメチャマダラセセリ、ヒョウモンモドキ、ツシマウラボシシジミ、ツシマウラボシシジミとウスイロヒョウモンモドキの生息域外保全、フサヒゲルリカミキリ、アカハネバッタ ほか
17:45 閉会
【参加方法】
- Web参加登録:下記のリンクより、ご登録ください。https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Dva3uCuQSF6ZkBX94XS8fg
- 関心のある方は、どなたでもご参加できます。参加定員があるため、お早めにお申し込みください。
【主催情報】