保護猫5匹とミキ亜生の賑やかな毎日

 お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう連載「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第12回に登場いただくのは、兄弟漫才師・ミキの亜生さん。

 6歳の助六(メス)と銀次郎(オス)、3歳の藤(メス)、1歳の兆猛と丹猛(ともにオス)という5匹の猫と暮らしています。5匹はすべて、道端で捨てられていたり弱っていたりしたのを、亜生さん自ら保護した猫。大阪時代、野生では生き抜けない弱った子猫を保護し、安定するまで育てては里親に出すという活動を1人で行なってきました。

 助六、そして銀次郎を拾ったことから、猫に魅了されたという亜生さん。一緒に暮らす5匹のことを第一に考えつつ、それ以外の猫たちの幸せも日々願っているようです。

「大阪市内にこんなに死にかけの子猫がいるんやったら…」

――まず、亜生さんにとって一緒に暮らしている5匹の猫はどんな存在ですか?

 家族同然ですね。僕、猫を“人”ってつい言っちゃうんですけど、あの人たちのために仕事を頑張っているようなところがありますから。

――5匹はすべて、捨て猫だったんですよね。保護した経緯を教えていただいてもいいですか?

 最初に拾った助六は、大阪の日本橋に住んでた時、駅までの道中で鳴いているのを見つけて。小さすぎて何かわからなかったんですけど、病院へ連れて行ったら猫やと判明しました。

 ある程度、成長したら里親に出そうと思ってたんですけど、もらい手がなくてそのまま僕が飼うことになったんです。僕がいない時は近所のおばちゃんが面倒をみてくれるようになったり、助六のおかげで近所付き合いがよくなったある朝、そのおばちゃんが僕の家にピンポンしてきて。「家の周りで猫が鳴いてるから、ちょっと捕まえてきて」って言われたんです。

 探しに行ったらマンホールのところに3匹の猫がいて、銀次郎はそのうちの1匹。先輩に譲るつもりが奥さんの猫アレルギーが判明して、そのまま面倒をみることになりました。

 で、銀次郎を拾ったくらいから、“大阪市内にこんなにも多くの死にかけの子猫がいるんやったらなんとか幸せにしたい”っていう感情が芽生えてきて。

――その感情が、猫の保護活動に繋がっていったんですね。

 夜2時くらいに1時間だけ、頭にデッカいライトを付けて近所をぐるぐると探して回ったり、「猫 大阪」とかで検索して様子を見に行ったりしていたら、芸人さんの間で“子猫を見つけたら亜生に連絡しろ”みたいになって。

 それから3年くらいは子猫を育てては里親に出しての繰り返しで、エンペラーの安井くんや蛙亭の中野くんも僕が保護した猫を引き取ってくれました。

 東京での仕事が少しずつ増えてきた頃、元々働いてたバイト先の人から保護したのが、3匹目の猫・藤っていうキジトラ。この子も里親を探したんですけど見つからなくて、そのまま飼うことになりました。僕の家にいる子はみんな、もらい手のなかった子です。

2022.02.22(火)
文=高本亜紀
撮影=平松市聖
写真=亜生